多様な市場ニーズに対応できる
プロ翻訳者を養成から現場まで

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半世紀の歴史を持つ翻訳・通訳会社㈱インターグループのプロ養成機関として、翻訳者を多数輩出している。「翻訳基礎コース」と「専門分野コース」を開講し、プロを目指す人から翻訳スキルを必要とするビジネスパーソンまで幅広く対応。修了生を対象に選抜・登用、現場直結のキャリアサポートも同校の特徴の一つだ。

訪問クラス 【英日】総合ビジネス・広報翻訳コース

「個人情報保護方針」は事実をわかりやすく伝えること

「【英日】総合ビジネス・広報翻訳コース」は、レター、パンフレット、記事、広告など翻訳需要の高い多彩な素材を扱いながら、広くビジネス一般の英日翻訳スキルを習得する講座だ。講師はフリーランス翻訳者として活躍中の川口仁先生。以下、全15回のうち第8回の授業をレポートする。

今回の翻訳課題は、アメリカにある美術館のPrivacy Policy から取り上げられた。川口先生はまず、受講生に課題について感想を聞き、「この種の文章は、決まりごとなどの事実をわかりやすく伝えることが第一。書いてある内容を正確に訳すことが大事です」と課題文の特徴を説明した。

続いて、単語の意味がつかみにくい箇所や、訳文を作るにあたって受講生がつまずいた箇所などを中心に詳しい解説がはじまった。多くの受講生が原文解釈に悩んだのが、By providing Personal Information, you consent to our collection and use of it, as described in this Privacy Policy,…の一文だ。問題になったのは、as 以下の文章がyou consent to に係るのか、our collection and use of it に係るのかという係り受けの判断の仕方。受講生の中には、どちらに係るか曖昧なままにしたり、「本個人情報保護方針が規定するとおりに同意する」とも読み取れる訳文にした人もいた。川口先生は、「as 以下の文章がour collection and use of it に係るということを明確にして訳そう。この係り受けを曖昧にすると、訳文に違和感が出てしまいます」と指導した。

ニュアンスをつかむのが難しかったのは、acknowledge という単語だ。…the Personal Information we need to process your membership and/or to acknowledge your contribution.におけるacknowledge は、「(寄付に)謝意を示す」と訳すべきところだが、うまく訳せている受講生は少ない。川口先生は、「書籍や論文で、『謝辞―acknowledgements―』という項目をよく見かけますが、これはその動詞形です」と例を引き、名詞の使われ方から動詞の意味が推測できると助言した。

ひととおり解説が終わると、受講生の訳文の検討に入る。本コースはプロを目指す上級者向けであるだけに、全体的にレベルの高い訳文が多い。川口先生は、各受講生の優れている点や改善点を挙げながら、一人ひとりに向けて丁寧なアドバイスを送っていた。

イメージを描くことを大切に初見の英文を読む

授業の後半は練習問題に移る。練習問題は、初見の英文を読み、クラス全体でディスカッションしながらより良い日本語表現を作り上げていくという形式で進む。記事は、あるベンチャー企業の創設者の経歴について述べたもの。読解にあたっては、人物のバックグラウンドに関する知識や、商品開発技術をイメージする想像力が必要になりそうだ。

例えば、the head role at a digital radiography businessをどう訳すか。business には「業種、職種、業界、会社、企業」などさまざまな意味があるため、原文から得られる情報だけではどの訳語が適切かわからない。川口先生は、「著名な人物の場合は、経歴を調べると訳しやすくなります。このbusiness を『会社』と訳していいかどうかも判断できます」と解説した。

本コース受講期間の中間点となったこの日は、授業の最後に、これまでの復習の時間も取られた。川口先生は、「英日翻訳にはいくつかポイントがあります。冬期休業の間に各自で課題を見直して、改めて自分が訳すとどうなるか考えてみましょう」とまとめた。インタースクールでは、レギュラーの翻訳コースに加え、1DAYセミナーやワークショップも随時開催している。これらを並行受講することで、受講生はさらに実践力をつけることができそうだ。

講師コメント

「【英日】総合ビジネス・広報翻訳コース」 川口 仁先生 かわぐち・ひとし 数社の翻訳会社で品質管理、翻訳事業責任者を歴任した後、2001年に翻訳会社ワードリンクを設立。契約書、政府白書、CSRレポート、広告、企画書、取扱説明書、会社案内、マニュアルをはじめ、観光案内、美術評論、出版書籍などさまざまな翻訳に携わりながら、インタースクール講師として後進の育成にも努めている。

「【英日】総合ビジネス・広報翻訳コース」
川口仁先生
かわぐち・ひとし

数社の翻訳会社で品質管理、翻訳事業責任者を歴任した後、2001年に翻訳会社ワードリンクを設立。契約書、政府白書、CSRレポート、広告、企画書、取扱説明書、会社案内、マニュアルをはじめ、観光案内、美術評論、出版書籍などさまざまな翻訳に携わりながら、インタースクール講師として後進の育成にも努めている。

課題を課題で終わらせず翻訳に普遍的なことを学び取りましょう
「【英日】総合ビジネス・広報翻訳コース」では、翻訳需要の高いレター、パンフレット、スピーチ、記事、論文、広告などを教材として取り上げ、広くビジネス一般の英日翻訳を学びます。本コース修了時にプレトライアル※を実施し、成績優秀者にはインターグループのトライアル受験資格が与えられますので、ぜひプレトライアル合格を目指していただきたいと思います。目標はプロになることですので、自分が今どの位置にいるのか、プロのスタンダードとはどのようなものなのか、そこに到達するためには何をすべきか、ということを意識して授業に臨んでいただきたいです。

日本語ネイティブにとって、日本語で文章を書くことは難しくありません。ですが、英日翻訳という次元になると、単に日本語で文章を書くのとは違います。翻訳では、原文からどこまで情報を得られるか、どれだけ単語のニュアンスがつかめるか、頭の中にイメージが描けるか、といったクリエイティブな力が求められます。授業で取り組んだ課題のサンプル訳を暗記しても意味がありません。大切なのは、課題を課題のままで終わらせず、そこから普遍的な翻訳力を学び取ることです。

翻訳とは、自分のスキルさえ上がれば商品の品質も良くなるという、クオリティ勝負のシンプルな世界です。それだけに、なにか英語を使った仕事がしたいと考えている方は、やってみる価値があります。インタースクールは、講師もスタッフも翻訳業界に精通したプロフェッショナル集団です。翻訳に興味のある方、プロを目指す方、ぜひインタースクールで翻訳の勉強を始めてください。
※ ㈱インターグループで翻訳者の採用を行っている部署が行う修了テスト