現役通訳者による実践的指導で
高度な通訳力と現場対応力を備えたプロを養成

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伝統と実績を誇る名門校、アイ・エス・エス・インスティテュートの英語通訳者養成コース。7段階のレベルから実力と目的に応じたクラスを受講することで、着実にスキルアップできる構成になっている。在校生・修了生にOJTや仕事の機会を提供するなど、ISSグループ企業と連携し、受講生のキャリアアップをトータルにサポートしている。

 

訪問クラス 英語通訳者養成コース「入門科」

訳の正確さに加え、発音・アクセントにまで及ぶ指導で、パフォーマンス力を強化

英語通訳者養成コース「入門科」は、英日、日英の授業が交互に組まれたカリキュラムを通じ、本格的な通訳訓練に必要な通訳基礎力の完成を目指すクラス。今回は、現役プロとして多分野で活躍中の榊原奈津子先生による英日の授業をレポートしよう。

授業は毎回、10分間の単語テストから始まる。出題範囲から出された問題に筆記で解答するという内容だ。このテストで特筆すべきは、解答にアクセントの記入まで求められる点だろう。通訳とは、発話して初めて成り立つのだということを改めて実感する。テスト終了後は受講生同士で答案を交換して採点。榊原先生から各単語について丁寧な解説があり、「markedlyは発音が『/‐kɪd‐/』に変わります。間違って覚えていた人は、ここで確実に直しましょう」などと、発音に対する注意も促された。

単語テストの後は、前回教材の復習に入る。「環境」分野から「気候変動(Climate Change)」と「持続可能な開発(Sustainable Development)」の2教材が取り上げられ、まずは「Sustainable Development」の逐次通訳に全員で取り組むことになった。榊原先生の「前から訳すことを心がけましょう」の声を合図にスタート。ヘッドセットを付けた受講生は、1センテンスずつ区切られた音声を聴き、各自逐次通訳を吹き込んでいく。皆よく復習してきたようで、滞ることなく滑らかに逐次通訳できていた。

2本目の「Climate Change」は、指名された受講生が前に出てパフォーマンスを披露することに。スピーカーから流れる1~2センテンスに区切られた音声を聴き、逐次通訳を行う。「入門科」の授業が始まってまだ1か月だが、終始、落ち着いたパフォーマンスができていた。聞き手の受講生からは、「自分では使わない単語を使っていたので、ワードチョイスが参考になった」「result in …を『結果として…』と訳すなど、前から訳そうとしている点が勉強になった」などの感想が聞かれる。

榊原先生からは、訳抜けや誤訳に関する指摘のほか、「不要なつなぎ言葉や癖がないところが良かったですね。途中、何かを考えているように宙を見つめていましたが、それでは聴衆に不安を与えてしまいます。自信を持って臨みましょう」と、パフォーマンスに対する具体的なアドバイスもあった。

内容の幹を捉えるコツは文の前半に集中すること

授業は続いて、「法律・裁判」分野の初見教材に移る。今回は、死刑制度を扱った「The use of the death penalty」と、条約について述べた「What is a Treaty?」だ。まず単語リストが配付され、「The use of the death penalty」の逐次通訳にチャレンジする。一度、初めから最後まで通して聴き、2回目は1センテンスずつ区切られた音声をメモを取らずに聴いて、各自逐次通訳を吹き込む。3回目は全員でスピーカーから流れる音声を聴き、指名された人が1センテンスずつ訳出していくことになった。

この教材は法律に関する専門用語も多く、メモを取らないのでかなりの集中力が要求される。「入門科」の受講生にとって、初見での逐次通訳はやはり挑みがいのある難しい訓練のようだ。一人一文訳すと、榊原先生からその訳出に対して丁寧なコメントがある。「無罪と無実では大きく異なる。無罪は裁判を経て確定しているので、刑に処されることはない。ここでのinnocent peopleは『無実の人』」「主語が何かをきちんと捉えれば、後半が訳しやすくなる。複雑な構文でも、前半に集中して前から訳していくと、うまくまとめられる」など、訳語の適不適から内容の根幹を捉えるためのコツまで、一人ひとりに対して的確で細やかなフィードバックが続いた。

その後、同じように2本目の教材「What is a Treaty?」に取り組み、この日の授業は終了した。榊原先生の授業は、学ぶべき点が多いのはもちろんのこと、活気があって実に楽しい。「入門科」で初めて通訳訓練を受けるという受講生も多いが、そのおもしろさや楽しさ、難しさを今、実感していることだろう。

講師コメント

英語通訳者養成コース「入門科」 榊原奈津子先生 さかきばら・なつこ 上智大学外国語学部英語学科卒。外資系航空会社を経てアイ・エス・エス・インスティテュートで通訳訓練を受け、フリーランスの通訳者に。多分野で通訳者として活躍する傍ら、20年以上にわたり同校の講師を務めている。

英語通訳者養成コース「入門科」
榊原奈津子先生
さかきばら・なつこ

上智大学外国語学部英語学科卒。外資系航空会社を経てアイ・エス・エス・インスティテュートで通訳訓練を受け、フリーランスの通訳者に。多分野で通訳者として活躍する傍ら、20年以上にわたり同校の講師を務めている。

近くて低い目標を掲げモチベーションを維持しましょう
通訳には、単語力、構文力(聴いた瞬間に構文を捉える力)、リスニング力、知識の4つが必要です。一人で学んでいると、自分に何が足りないのかに気づきにくいですが、スクールに来ると、クラスメートと自分を比較することができ、講師からのアドバイスもあるので、強化すべきウイークポイントがはっきりします。その点が、スクールに通学することのよさだといえるでしょう。

私が担当する「入門科」では、この4つの要素を鍛えるための勉強法をお伝えします。授業と課題に取り組みながら自分の弱点を見極め、地道に補強し、伸ばしていっていただきたいと思います。紹介するのは、私が実際に試してみて、比較的負荷なく取り組めてかつ効果があったものばかりです。その中から自分に合った勉強法を見つけて、楽しみながら続けてください。

通訳者を志す人は、やる気さえあれば、最後には必ず通訳者になれると私は思っています。大切なのは、モチベーションを失わないこと。そしてそのモチベーションを維持するには、「近くて低い目標」を持つことです。”近く”とは、例えば2週間後の次の授業までに課題をやりきること。”低い”とは、例えば1日の目標勉強時間を低めに設定し、やりきること。このように、目標を近く低く設定しておくと、一つクリアするごとに達成感が生まれます。それが長続きの秘訣ですね。

ISSでは、講師とスタッフが必要な情報を共有し、連携しながら受講生をバックアップしています。通訳者を目指す方、質の高い講師とスタッフがいるISSで一緒に学んでいきましょう。