『翻訳基礎』で力をつけて『専門分野別』コースで実践力を磨く
市場が求めるプロフェッショナルを育成する

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(株)インターグループのプロ養成機関であるインタースクールでは、基礎の完成から専門分野別スキルの習得へと至る、体系的な翻訳コースを開講している。市場のニーズを反映した教材と経験豊かな現役翻訳者による丁寧な指導が特長。修了試験優秀者は現場に登用。即戦力育成に力を入れている。

訪問クラス 「ビジネス・広報・マーケティング翻訳コース」

CSRレポートを教材に
日英翻訳に取り組む
「ビジネス・広報・マーケティング翻訳コース」は、ビジネス系ドキュメント全般の日英翻訳に特化した上級コース。修了試験の「プレトライアル」に合格すれば、インターグループの翻訳者採用試験「トライアル」を受験することができる。プロへの登竜門ともいうべきコースだ。

この日の課題はCSRレポート。某大企業のレポートを教材用に加工したもので、受講生たちは授業前日の指定時刻までに訳文を提出している。

授業が始まると、さっそく課題の検討に入っていく。1文目は「Sグループでは、~の下に地球環境部会を設置し、下図に示す運営体制で環境マネジメント活動を展開しています」。講師の川口仁先生は「『~の下に地球環境部会を設置し』は後まわしにしましょう」と”戦略”を示し、原文を「Sグループでは、下図に示す運営体制で~展開しています」と簡略化して英訳。そのあとで「~の下に地球環境部会を設置し」を英語にしていく。

「『~を設置し』という言葉はよく使われますが、これをこのままhas established/set upと訳すと冗長になる。一歩踏み込んで『~の下に設置された地球環境部会主導のもと』と解釈し、with the Global Enviromental Committee under…taking the initiative…としてはどうでしょうか」

続けて「環境マネジメント活動」を主語にして別な英文を組み立て、さらに「『下図に示す運営体制』を主語にして英文を作ってみてください」と指示。こうして3パターンの訳文を考えた後、「料理の仕方はいろいろあります」とコメントし、字面に惑わされずに解釈し文章を組み立てることの大切さを説いた。

プロの経験に基づく
実践的なノウハウを伝授

同じように1文ずつ丁寧に吟味しながら、授業は進んでいく。先生は「『監査重要項目』とはどういうこと?」「『目標への展開』をどう解釈するか」などと訳出時のポイントを示し、受講生にどう考えて訳したか、意見を求める。こうしたキャッチボールにより、日英翻訳の”勘所”が養われていくのだろう。

先生はまた随所で、実践的なノウハウを伝授。「『一部の(グループ会社)』をsome …とすると『少し』という意味合いになって印象が悪い。manyを使うのがベスト」「『~年度』はFY~とFiscal~の2通りの表記があるので、企業のホームページで実際に使われているほうに従う」「『環境側面』はISO用語。enviromental aspectsが定訳」「年次のレポートを訳すときは昨年版を参考にする」など、有益情報が目白押しだった。

課題の全文をじっくり検討したあと、受講生それぞれの訳文を講評する時間が設けられた。先生は文法ミスも含めて改善点を指摘。文の組み立てに問題があれば修正案を示していく。3時間という長丁場の授業だが、その指導は最後まで細やかだった。

学びのポイントを挙げればキリがないが、この日もっとも印象に残ったのは、受講生からのある質問に対する先生の以下のような答えだ。
「どこまで訳すか、逆に省くか。その判断は翻訳者がします。プロだからです。ただし、お客様から『なぜこうしたのか?』と聞かれたときに、自信を持って理由を説明できなければいけない。それができれば、お客様も納得してくださいます。もちろん判断に迷うことはありますが、そこが翻訳の苦しさであり、楽しさでもあるんです」

その言葉は重く、プロの覚悟や矜持が伝わってくる。受講生たちの心にも深く刻まれたに違いない。

終了時、ある受講生が「もう半分が終わったんですね」と感想を漏らすと、先生は「来週、カウンセリングをしましょうか」と答え、個人面談を行うことが決まった。こうした心配りも含め、プロ育成にかける先生の熱意が強く感じられた3時間だった。

講師コメント

「ビジネス・広報・マーケティング翻訳コース」 川口仁先生 かわぐち・ひとし 早稲田大学教育学部英語英文学科卒。数社の翻訳会社で品質管理、翻訳事業責任者などを歴任した後、2001年に翻訳会社ワードリンクを設立。契約書、政府白書、CSRレポート、広告、企画書、取扱説明書、会社案内、マニュアルをはじめ、観光案内、美術評論、出版書籍などさまざまな翻訳に携わりながら、インタースクール講師として後進の育成にも努めている。

「ビジネス・広報・マーケティング翻訳コース」
川口仁先生
かわぐち・ひとし

早稲田大学教育学部英語英文学科卒。数社の翻訳会社で品質管理、翻訳事業責任者などを歴任した後、2001年に翻訳会社ワードリンクを設立。契約書、政府白書、CSRレポート、広告、企画書、取扱説明書、会社案内、マニュアルをはじめ、観光案内、美術評論、出版書籍などさまざまな翻訳に携わりながら、インタースクール講師として後進の育成にも努めている。

ビジネス全般の日英翻訳に対応できる力
プロに必要な心構えを養います
このクラスは「プロ一歩手前」という位置づけにあり、広くビジネス全般に対応できる力、プロに必要な心構えを養います。インターグループが実際に受注している翻訳案件の中でも特にニーズの多いドキュメントを教材として用い、課題は「納期厳守・連絡票の添付」というルールに則って提出していただきます。評価の基準は「お金をもらうに値する翻訳か」。すべてにおいて実践を強く意識したコースです。

身につけてほしいスキルは主に3つあります。その筆頭が「日本語の理解力」。「何が書かれているか」を読み解くことは、日英翻訳の基本です。慣れていただくため、日本語を分解・分析する練習も行います。次に「リサーチ力」。通常の手順で調べがつかないときにどうするか、それでも調べがつかなかったときにどうするかといった、現実的な対処法をお教えします。そして3つ目が、どんな事態に直面しても臨機応変に対応できる「柔軟性」です。「もしこうだったらどうします?」と突っ込んだりしながら、どう対応すべきかをお伝えしています。

英文を書く力を磨くには、地道に読み続けるしかありません。自分の好きな分野に絞って英文を読み、「これはいい表現だ」と感動したら何度も読み返す。そうやってコツコツと積み上げていくことが、10年後、20年後の自分を支えるベース、底力になるのです。

プロを目指すのであれば、すぐ行動に移しましょう。もし「学校に通う」という選択をしたのなら、つねに課題には全力で取り組んでください。そうすれば数年後、必ず具体的な「成果」を得られるはずです。