授業は講義と演習の2部構成
医学知識と翻訳スキルがバランスよく身につく

ILC国際語学センターのメディカル分野の翻訳プログラムでは、「メディカル翻訳(初級・上級)コース」と「治験翻訳(概論・演習)コース」からなる医薬翻訳コースを開講している。文系出身者でもフリーランス翻訳者を目指すことができるカリキュラムとなっていることが特徴だ。

「メディカル翻訳初級コース」は、解剖生理学の基礎を学びながら翻訳演習を行うため、医学知識がない人にも最適な内容だ。この「初級」で学んだことをベースに「メディカル翻訳上級コース」では、医学論文の翻訳にも取り組む。医学知識の習得と複数のプロの翻訳者の講師による丁寧な個別添削指導により、専門知識と翻訳力をバランスよく高めることができる。「治験翻訳コース(概論・演習)」は、「メディカル翻訳上級コース」の修了生、もしくは同等の知識・翻訳力を持つ人が受講対象。「概論」で医薬品開発の流れや薬事法などのガイドラインを学び、「演習」で開発関連の文書を教材に翻訳演習を行うため、文系出身者でも無理なく治験翻訳のスキルを身につけられる。

なお、「メディカル翻訳上級コース」「治験翻訳コース」の修了生は、ILCが提携する翻訳会社のトライアルを受験することが可能だ。

正看護師が担当する3つの医療英語コース

翻訳プログラムのほか、医療現場で使える医療英語コースも開講。正看護師資格を持つ講師が、実践的なノウハウをわかりやすく指導している。

「医療英語コミュニケーション」の入門コースでは、外国人患者をケアする際に必要な英語表現の基本を学習。リスニング、スピーキング、リーディング、ボキャブラリーをバランスよく学び、総合的に英語力を高めていく。基礎コースでは、さまざまなシチュエーションを想定したロールプレイを通して、実践的な英語コミュニケーション力を鍛錬。応用コースでは、より専門的な医学知識と表現力を習得しながら、医師と外国人患者との「橋渡し役」に必要な高度な英語コミュニケーション力を養っていく。

いずれも看護師向けの講座だが、活用の仕方次第で、翻訳者や通訳者にとっても有益なコースになるだろう。

講師インタビュー

東京校「メディカル翻訳コース」 吉田和男(よしだ・かずお)先生 立命館大学理工学部数学物理学科卒。英語講師を経て翻訳者を志し、ILC国際語学センターの「メディカル翻訳コース」を受講。修了後、フリーランスの翻訳者となり、医学論文、学会発表資料、医学雑誌記事など、メディカル翻訳の分野で活躍する。2006年より同校の講師を務めている。

東京校「メディカル翻訳コース」
吉田和男(よしだ・かずお)先生

立命館大学理工学部数学物理学科卒。英語講師を経て翻訳者を志し、ILC国際語学センターの「メディカル翻訳コース」を受講。修了後、フリーランスの翻訳者となり、医学論文、学会発表資料、医学雑誌記事など、メディカル翻訳の分野で活躍する。2006年より同校の講師を務めている。

医学英語の実例の内容を考えながら英文を読みましょう
「メディカル翻訳コース」は、医学の基礎である解剖生理学を学びながら、メディカル翻訳の基礎となる英語力を身につける講座です。私が担当する翻訳演習のクラスでは、初級・上級の1年間でなるべく多くの医学文献にふれるという方針の下、徐々に教材のレベルを上げながら、さまざまな課題に取り組みます。

英語力は解説を聞いて身につけられるものではありません。解剖生理学の教科書、医師が書いた病気の解説、医学論文などの英語の実例に接することで、「内容を考えながら英文を読む」ことを体感し、英語力を磨いてください。受講生にお伝えしたいのは、「こういう場合は、こう訳す」というマニュアルを求めないこと。まずは、英語の構造を理解することを心がけていただきたいと思います。

メディカル翻訳は、文系出身でも英語の読解力がある人は良い訳文が作れます。理系出身の人でも、すべての分野をカバーしている人はまずいませんから、専門知識の点では多くの人がゼロからのスタートです。

スクールで学ぶことの利点はたくさんありますが、なかでも講師との対話からヒントが得られることが大きいといえます。いくつか言葉をやり取りして初めて、相手の真意や疑問が伝わることもあります。授業中は、この言葉のキャッチボールを大切にして、積極的に質問し、そこで繰り広げられる会話に敏感になってください。そうすることで、自分一人では何年かかっても解けない疑問が、数分で解決できるかもしれません。

私たちにとって、健康や医療はとても身近なテーマであり、誰もが関心を持って取り組むことができる分野です。医薬分野に興味を持ち続け、労力を惜しまずに勉強できる人は、メディカル翻訳に向いています。知的好奇心が強く、英語力を生かしたいと思っている方にぜひ挑戦してほしいです。

受講生インタビュー

ILC国際語学センター大阪校受講生 柿内絵美(かきうち・えみ)さん 監査法人などに勤務した後、英国に留学。帰国後、社内翻訳者を経て、現在は外資系製薬会社に勤務。ILC国際語学センター大阪校「実務翻訳Ⅰ」「同Ⅱ」を修了し、メディカル翻訳コースに在籍中。

ILC国際語学センター大阪校受講生
柿内絵美(かきうち・えみ)さん

監査法人などに勤務した後、英国に留学。帰国後、社内翻訳者を経て、現在は外資系製薬会社に勤務。ILC国際語学センター大阪校「実務翻訳Ⅰ」「同Ⅱ」を修了し、メディカル翻訳コースに在籍中。

専門知識や情報ソースを学び、リサーチ力が大きく向上しました

柿内絵美さんは大の英語好き。これまで英語に関わる仕事ばかりを選択してきた。だが次第に「英語ができる」だけでは飽きたらなくなり、さらなる付加価値を求め、メディカル翻訳に挑戦することにした。

「今は製薬会社に勤めているので、専門情報には事欠かないし、わからないことは誰かに聞くことができます。この環境を生かそうと思いました」

2014年10月から1年をかけ、ILC国際語学センター大阪校のインターネット講座「実務翻訳Ⅰ」「実務翻訳Ⅱ」を受講。「Ⅰ」では英文法などの基礎を学び直し、「Ⅱ」では英語の文意を変えずに日本語らしく訳すコツを習得した。

実務翻訳のベースを固めると、「メディカル翻訳初級」へ進む。授業ではまず、市販テキストと配布資料を教材として薬物や人体の基礎を学習。自宅でその分野の翻訳課題に取り組み、翌週のクラスで訳文を検討する。課題は学術論文や治験関連文書の一部で、英日が中心。こうした「知識講座」と「翻訳講座」が毎週交互に行われた。

「訳すときに参照すべき資料、訳し方のルールやテクニック、自分の翻訳のクセなど、いろいろ教えていただきました。特に大きかったのはリサーチ力がついたこと。専門知識が増え、信頼できる情報ソースを知り、医薬関連の情報に敏感になったことで、探したいものに早くたどり着けるようになりました」

講師は熱心で「惜しみなく情報や知識を教えてくださる」と柿内さん。課題も丁寧に添削してくれるため、「ポイントを意識しながら訳せるようになった」そうだ。

当面は「メディカル翻訳上級」を修了し、トライアルに合格することを目指している。その後、職場である製薬会社で翻訳に携わり、ゆくゆくはフリーランスになるのが夢。「メディカル翻訳者として一生英語に関わっていけたら」と、今も意欲的に勉強に励んでいる。