中級・上級者を対象とした医薬専門の通学講座

フェロー・アカデミーでは通学講座・通信講座とも、入門・初級・中級・上級という段階的なコース体系を取っている。メディカル翻訳講座は中級・上級に属し、受講するには原則として「実務翻訳の基礎を学び終えていること」が求められる。

通学講座の中級「メディカル」は、多様な医薬関連文書の翻訳を通して、背景知識や専門表現を基礎から習得する。身近な話題から取り上げるので、医薬知識のない人でも無理なく学べる。英訳需要に対応し、全18回中、5回を英訳にあてている点も注目だ。 「メディカルゼミ」は、「メディカル」を所定の成績で修了した人もしくは選抜試験合格者が受講できる上級講座。治験関連文書や論文を教材に、正確な内容理解と質の高い訳文を目指した実践演習(和訳・英訳)を行う。リサーチ力を高め、専門知識を強化しながら、プロとして通用する翻訳力を総合的に高めていく。実務翻訳の学習経験がない場合は、入門の「翻訳入門」あるいは初級の「実務基礎」からスタートできるので、誰にとっても学びやすいコース体系となっている。

論文と医薬品文書に特化した通信講座「マスターコース」

通信講座でも、レベル別にメディカル翻訳講座を開講。中級のベータ応用講座「メディカル」では、重要な専門用語や基本知識を学びながら、医薬文書を自然な表現で訳すコツを習得。テキスト学習と合計6 回の添削指導により、効率よく学ぶことができる。

上級のマスターコースは、テーマを「医学論文」と「医薬品関連文書」とに分けて年2講座を開講。それぞれ現役のプロの翻訳者である講師が教材の選定と添削指導にあたり、期間中に1回、自由参加のスクーリングを行う。プロの基準に照らして自分の足りない部分が明確になる点が好評だ。選抜試験合格者のみが受講できるハイレベルの講座だが、入門レベルの「翻訳入門<ステップ18>」や初級「実務翻訳<ベータ>」からステップアップし、本コースを受講する学習者も多い。

なお同校では、翻訳者ネットワーク「アメリア」(有料)を運営。未経験でも応募できる求人の紹介など、仕事獲得やスキルアップの場も提供している。

講師インタビュー

通学講座「メディカル」 通信講座マスターコース「メディカル」 西村多寿子(にしむら・たずこ)先生 医療翻訳者、メディカルライター。プレミアム医学英語教育事務所代表。日経メディカルオンラインで文献紹介記事や英語学習記事を執筆中。翻訳作品に『生命倫理を考える.終わりのない7編の物語』(丸善DVD、共訳)など。

通学講座「メディカル」 通信講座マスターコース「メディカル」
西村多寿子(にしむら・たずこ)先生

医療翻訳者、メディカルライター。プレミアム医学英語教育事務所代表。日経メディカルオンラインで文献紹介記事や英語学習記事を執筆中。翻訳作品に『生命倫理を考える.終わりのない7編の物語』(丸善DVD、共訳)など。

論文抄録や有害事象、治験の翻訳にも役立つ講座です

通学講座「メディカル」では、医療サイトのニュース記事、有害事象報告、添付文書、論文抄録などを取り上げます。授業では毎回、個々の訳文を吟味しながら最終訳を仕上げるグループワークを実施。各グループに訳を発表してもらった後、私がホワイトボード上で添削します。客観的な目で訳文を改善する力を養うと同時に、翻訳と関わりの深い「チェッカー」がどういう仕事なのかを理解する一助になればと思っています。

私は、通信講座のマスターコース「メディカル」も担当しており、こちらは臨床研究論文に特化した内容です。医薬翻訳をひと通り勉強された方、もしくは医薬翻訳経験者を対象としていますが、在宅の医薬翻訳者がスキルアップのために受講されるケースも少なくありません。論文の全体的な枠組みや研究方法のイロハを理解できるため、論文抄録や有害事象の翻訳には特に役立ちます。論文は治験のエッセンスをまとめたものなので、治験の勉強にもなるでしょう。

これから勉強を始める方たちに強調しておきたいことは、翻訳スキルの大切さです。和訳なら、医学の専門家が違和感なく読めて理解できる日本語を書けるかどうか。専門知識は後からでも覚えられるので、まずは翻訳スキルを磨くことを心がけてください。専門知識を学ぶときは、関心のある領域を何か1つ、深く掘り下げていくといろいろわかってくると思います。

医薬の世界は日進月歩。医薬関連サイトを読むなど、常に情報収集に努めることが大切です。またいち早く仕事を軌道に乗せたいのなら、ニーズの増えてきた「医療機器」や「品質管理(QC)/品質保証(QA)」といった領域を目指すことも1つの方法。治験だけが医薬翻訳ではないので、自分の興味や適性を見極める意味でも、まずは通学講座「メディカル」や通信講座のベータ応用講座「メディカル」から始められることをお勧めします。

受講生インタビュー

修了生 笠川 梢(かさかわ・こずえ)さん 立命館大学政策科学部卒。輸入建材や製薬会社などで翻訳に従事し、2005年に医薬翻訳者として独立。現在は治験関連の英日・日英を中心に、さまざまな医薬文書を手がける。

修了生
笠川 梢(かさかわ・こずえ)さん

立命館大学政策科学部卒。輸入建材や製薬会社などで翻訳に従事し、2005年に医薬翻訳者として独立。現在は治験関連の英日・日英を中心に、さまざまな医薬文書を手がける。

受注案件の幅が大きく広がりました

関西在住の笠川さんはこれまでに2度、フェロー・アカデミーの通信講座でスキルアップを図ってきた。輸入建材会社でカタログの翻訳などを行っていた2001年、自己流の翻訳に限界を感じて「翻訳入門<ステップ18>」を受講。「翻訳に必要な英文法を学びながら、文化的背景や言語特性を理解して訳すことの大切さを理解した」という。

その後、派遣社員として製薬会社で翻訳や翻訳チェックに従事し、2005年に医薬翻訳者として独立。着実に経験を積んでいた2012年にふたたびフェローを頼った。「受注するのはCIOMSや症例報告がほとんど。それ以外の医薬文書も受注できるように、臨床研究論文にテーマを絞ったマスターコースを受講することにしました」

西村多寿子先生の「丁寧に調べ、正しく原文を読み取り、それを誤解の余地のない訳文に」という指針に従って翻訳。提出した課題は、誤訳や不適切な訳語などが正され、読解が難しい箇所などを取り上げた解説、講師訳、受講生の優秀訳とともに返ってきた。

「添削指導は弱点の改善につながり、西村先生のコメントや解説によって医薬翻訳に役立つ新たな知識も増えました。ほかの受講生の訳文に刺激を受け、講座の折り返し時に行われたスクーリングに参加し、親交を深めました。コメント欄を通じて西村先生と『近況報告』しあうことで、絶えずモチベーションを維持できたのも良かったです。一番大きかったのは、論文以外にも広く対応できる英文解釈力や翻訳力がついたこと。事実、今は治験関連文書の英訳や和訳を中心に、論文や添付文書などさまざまな案件を受注しています。マスターコースで学んだ甲斐がありました」

向上心を忘れることなく、「自然かつ正確な翻訳を迅速にお客様に提供していきたい」と笠川さん。今も同校が運営する「アメリア」を利用し、情報や知識のアップデートに努めている。