際立つ専門性で高い支持を集める

昨今人気の医薬系翻訳であるが、需要が最も多いのは医薬品開発に付随する様々なドキュメントの翻訳であることは案外知られていない。「治験翻訳講座」は、そうしたドキュメントを対象として翻訳者教育を行っている、日本でも非常にユニークな講座である。

本講座は2005 年の立ち上げ以来、今年で11年目を迎える。基礎から上級レベルまで、東京では全12コース、また大阪では全10コースが開講されており、極めて専門性の高いコース設定であるにも関わらず、多くの受講生を集めている。治験という専門分野に特化しているだけに、その分野の知識や業界事情などの収集にも特に注意が向けられている。講師陣の充実ぶりに加え、特定非営利活動法人日本メディカルライター協会の後援を受けており、専門性の高さはほかに類をみない。

豊富な情報量と的確なアドバイス

コースは講義と演習で構成されている。講義で配られる情報量の多さは圧倒的である。医学や治験関連の参考資料は一般に高額であること、また翻訳者を対象とした治験の概説書は存在しないことを考えると、本講座で配布される資料の価値の高さは明白である。

講義は第一線で活躍するメディカルライターや大学助教授・講師が担当する。演習の授業は断片的な知識を得るだけでなく、問題の根本的な解決方法を見出す場である、という演習担当講師の考えが反映され、ひとつの原文に対し複数の受講生の訳文を検討題材として、議論中心で行われる。また、授業後には、演習担当講師による個人面談があり、受講生個々の問題点の探り出しやその解決法、更には将来のキャリアプランの相談までが行われている。

受講生の受け入れ先としては、アスカコーポレーション、翻訳センター、十印、川村インターナショナル、リンクトランス・サイマルの翻訳会社5社と、人材派遣のテンプスタッフが協力体制を敷いている。

講師インタビュー

治験翻訳講座 演習担当 アルパ・リエゾン株式会社代表 東京医科歯科大学非常勤講師 有馬貫志(ありま・かんじ)先生 英国エセックス大学大学院言語学修士。同大学日本語講師、英国バーミンガム大学Japan Centre副主任等を歴任。帰国後は東京医科歯科大学非常勤講師を務める傍ら、翻訳会社のレビュアーとして治験翻訳者の育成に携わり、2005年夏に治験翻訳講座を立ち上げる。現在はアルパ・リエゾンの代表として、治験翻訳講座の演習講師を務め、多くの翻訳者の育成に勤める。メディカルコミュニケーションと治験翻訳の発展に貢献するべく多くの活動を行っている。

治験翻訳講座 演習担当 アルパ・リエゾン株式会社代表 東京医科歯科大学非常勤講師
有馬貫志(ありま・かんじ)先生

英国エセックス大学大学院言語学修士。同大学日本語講師、英国バーミンガム大学Japan Centre副主任等を歴任。帰国後は東京医科歯科大学非常勤講師を務める傍ら、翻訳会社のレビュアーとして治験翻訳者の育成に携わり、2005年夏に治験翻訳講座を立ち上げる。現在はアルパ・リエゾンの代表として、治験翻訳講座の演習講師を務め、多くの翻訳者の育成に勤める。メディカルコミュニケーションと治験翻訳の発展に貢献するべく多くの活動を行っている。

文系出身でも理系出身でも可能性は同じです

治験翻訳講座を受講される方には二つの流れがあります。現在すでに治験関連の仕事に従事している方と、治験という分野は初めての方です。前者の場合、専門知識はそれなりにあるけれど翻訳やライティングの勉強は経験がないという方が多く、後者の場合は英語または翻訳の技術にはある程度自信があるものの、治験の専門知識はないという方がほとんどです。

よく聞かれるのは、治験翻訳者になるにはどちらが有利か、という質問です。答えは簡単。どちらでも結構です。治験翻訳のように高度に専門化された分野では、一般的なバックグラウンドが理系か文系かで翻訳者の優劣が決まることはありません。自分がどちらに属するにせよ、ゼロからのスタートだと思っていただいて結構ですし、そう思うことができるどなたにも、成功の可能性が待っている分野です。

本講座では、治験翻訳者を書き言葉を伝達の道具として用いるメディカルコミュニケーターとして位置づけています。メディカルコミュニケーションとは、医療者同士あるいは医療者と患者とを結びつける情報交換を意味し、日本ではこれから発展が期待されている医療の一分野です。治験翻訳が他の産業翻訳と袂を分かつのは、扱っている情報が人の命に関わるという一点にあります。メディカルコミュニケーションに必要な知識と技術を習得し、医療従事者の一翼を担うのは、治験翻訳者の重責でもあり、かつ誇りでもあるのはいうまでもありません。

治験翻訳講座では同じ重責と誇りを分かち合いたいと考えてくださるすべての方の参加を、心からお待ちしております。

受講生インタビュー

「英訳演習」(実践・上級)「和訳実践演習」「Medical Science特別講義 メディカルライティング入門」 小泉志保(こいずみ・しほ)さん 大学で国際関係を専攻。卒業後、映画配給会社で宣伝業務に携わったのちに、医薬翻訳会社にてチェッカーとなる。2013年秋よりアルパ・リエゾン治験翻訳講座で学び、現在はフリーランスの医薬翻訳者として活躍している。

「英訳演習」(実践・上級)「和訳実践演習」「Medical Science特別講義 メディカルライティング入門」
小泉志保(こいずみ・しほ)さん

大学で国際関係を専攻。卒業後、映画配給会社で宣伝業務に携わったのちに、医薬翻訳会社にてチェッカーとなる。2013年秋よりアルパ・リエゾン治験翻訳講座で学び、現在はフリーランスの医薬翻訳者として活躍している。

治験と英語の両方を学び、治験翻訳のおもしろさに惹かれて現在に至ります

10年ほど携わった映画業界では、宣伝業務などを担当。その後「結婚や出産などで生活環境が変わっても、翻訳ならば一生続けられる」と思い、一念発起して翻訳の勉強を開始。翻訳業界に転職し、医薬専門の翻訳会社でチェッカーとなる。
「そこでは、チェッカーの仕事から始めましたが、翻訳者を目指してさらに勉強することにしました」

勤務先には、アルパ・リエゾン治験翻訳講座の受講経験者が多く、同講座の評判を聞いて入学を決める。2013年秋に「英訳実践演習」を受講し、その後は「和訳実践演習」「英訳上級演習」と進級して治験翻訳を修めた。受講中は、1期を通してプロトコル(治験実施計画書)あるいはCSR(治験総括報告書)の翻訳演習に集中して取り組み、各ドキュメントの訳し方を体系的に学んだ。また、実際の治験文書にふれることで、治験や疾患、薬剤についての専門知識を深めることもできた。どんな質問をしても明確な答えが返ってくる講師の指導にいつも圧倒され、知的好奇心を刺激されたという。

「治験と英語の両方に造詣が深い有馬先生のご指導のおかげで、治験翻訳のおもしろさを知り、どんどん惹き込まれていきました。文法というルールがある一方で、答えは一つではない言語学の視点からも英語を教えてくださり、”言葉は生き物”だとつくづく感じたものです」

現在、フリーランス3年目。治験関連文書のほか、学術論文や非臨床分野の翻訳も手がける。治験文書の翻訳の際には、アルパ・リエゾンで学んだことが大いに参考になり、医薬翻訳者に必要な英語力が身についたと実感している。今後は「自分なりのスタイルのある訳文を作りたい」と語る小泉志保さん。一生続けられる仕事を手にした今、楽しみながら医薬翻訳と向き合っている。