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2023.05.12 UP

第54回 low-hanging fruit / 低いところにぶらさがっている果物?

第54回 low-hanging fruit / 低いところにぶらさがっている果物?

ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。

最近、営業やマーケティングの会議でよく耳にするフレーズが“low-hanging fruit”。直訳すると「低いところにぶらさがっている果物」ですが、ビジネスでは「大した努力をしなくとも達成できる目標」のことを指します。

「高低」と「果物」に関連して思い出されるのがイソップ寓話の「キツネとぶどう」(「酸っぱいぶどう」)です。手の届かない高いところに実がなっているぶどうを見たキツネが、本当は食べたいにもかかわらず「あれは酸っぱいに違いない」と負け惜しみ言って諦める寓話ですが、そこから生まれた表現が“sour grapes”。「負け惜しみ」という意味の表現です。“low-hanging fruit”と同じ果物シリーズの表現ということで、併せて覚えておきましょう。

具体的には次のように使えるでしょう。

A:What can we do to improve our business performance?
B:We should start out with training, because it’s a low-hanging fruit.

A:業績をさらに上げるために何ができるだろう。
B:まずはトレーニングを提供してみてはどうだろう。そんなに労なくしてできるしね。

ぜひ使ってみてください!

森田系太郎
森田系太郎Keitaro Morita

会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。