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2023.05.12 UP

第40回 strawman / 藁人形たたき?

第40回 strawman / 藁人形たたき?

ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。

4~5年前に、あるITのグローバル会議の通訳の準備をしているときに、資料に出てきたのがこの“strawman”という単語。最初は「藁人形?」と思いましたが、調べてみると「たたき台」という意味があることがわかりました。

日本語では、相手の意見を歪めて引用し、論点をすり替えて議論することを「藁人形論法」と言います。英語の“strawman”にも同様の意味がありますが、最近のビジネス現場では単純に「たたき台」という意味で使われているようです。日本語でも「藁人形たたき」と言いますが、藁人形であるたたき台を叩いてよいものにしていく、というイメージでしょうか。また、“straw man”と二語に分けて使用されることも覚えておくとよいでしょう。

具体的には次のように使えるでしょう。

A:I’m putting together a strawman proposal now.
B:Looking forward to that!

A:今、たたき台となる試案をまとめているよ。
B:楽しみにしてるよ!

ぜひ使ってみてください!

森田系太郎
森田系太郎Keitaro Morita

会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。