第12回(最終回) 単語と文法という基本に立ち返る

現代文学翻訳コンテスト2017.10.01

5:いただいた質問について

 ここまで取り上げた点以外にも質問をいただいていますので、僕にわかる範囲でお答えできればと思います。

 これは昔ながらの、でもいまだに難しい問題です。複数であることを示すか示さないかでは、読み手に与えるイメージが変わってしまうことがよくありますから、できれば複数であることを反映したいところです。今回は「ネコの餌やり」などにしてもいいのかなと思いますが、より厳密にするために、「~に餌をやって回る」という形にすれば、複数であることが伝わるかもしれません。

 選択肢としては、①名詞本体を「~たち」にする、②「数台の~」や「数匹の~」にする、③今回のように動詞で複数を表現する、というあたりがありえるでしょうか。

 これは訳者によって答えがばらばらになるのではないかと思いますが、僕個人は括弧をあまり使わないようにしています。括弧抜きの本文では表現しきれないがゆえに、やむなく( )を使ったようにも読めてしまいますし、そう思われてしまったら原文に申し訳ないかなと思うので、原文で括弧を使っていないかぎりは僕も使わないようにしています。

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