第3回 在イギリス 日英通訳者の出張事情 ロンドン編

通訳者通信fromロンドン2017.04.20

国内出張 日帰りの出張

ロンドンから日帰りの出張に行くとき、どのあたりまでカバーできるか。あくまで私個人の経験ですが、ロンドンから高速鉄道で1時間30分ほどのバーミンガムなら「当たり前」、それよりすこし遠くとも、リヴァプールやマンチェスターまでなら日帰りで対応することが多いです。ただ、単純に距離だけでは判断できないこともあります。

例えば以前、ウェールズに接するシュロップシャーに日帰り出張がありました。距離的にはバーミンガムと大差ないのですが、場所により交通機関でのアクセスが難しいのです。ミーティング時間が短かったのと、駅まで送迎をしてもらえたので日帰りで対応できましたが、それがなかったら日帰りでは難しかったでしょう。また「ウェールズに接する」と書いたのには訳があります。ウェールズは景色がきれいで素敵なところが多く大好きなのですが、交通アクセスとインターネットや電話(!)も含め通信には注意が必要なのです。

谷や山が多く、それだけに本当に景色が見事でハイキングやトレッキングの聖地といった感じ。けれども、その地形が邪魔するのか、携帯電話がつながらない(涙)。通訳の仕事でウェールズやその近辺に出向くときは、携帯端末に頼らずとも済むよう、バックアッププランを練っておきます。「何かあったら電話すればいい」とか「迷ったらケータイのマップを見ればいい」が通じないので、原始的な方法で備えておくことにしています。

ロンドンの空港とお勧めの新サービス

次に空港ですが、ロンドンだけを見ても、ヒースロー、ガトウィック、シティ、さらに少し遠くはなりますが、スタンステッドやルートンと沢山あります。私は個人的には、ロンドンシティ空港が一番便利でお気に入りなのですが、いかんせん、規模が小さいので就航会社も就航地も、多いとは言えません。このため、どうしてもヒースローとガトウィックの利用が多くなります。

また空港ではRegistered Traveller(英国登録旅行者)カードが私の必需品です。イギリスには、Registered Traveller Service(登録旅行者制度)と呼ばれるサービスがあります。これはUK入国時に、英国入国審査を簡易化できるシステムで、UKパスポート保持者と同じレーンを使う権利がもらえるので、UK/EU Passportsレーンでも、ePassportレーンでも利用できます。つまり旅行者を含め入国者でごった返し、長時間待つことになるAll Passportsレーンを避けることができるのです。

個人的には、Landing Cardの記入が不要である点が気に入っています。記入に大した時間はかかりませんが、機内で用紙をもらい損ねたり、列に並んで待っている時にペンや航空券の半券がすぐに出せなかったりするので、Registered Travellerカードでこうした手間が省けるのは便利です。例えるなら、ケータイの指紋認証の使用でパスコードの入力から解放されるのと同じです。

空いているなら従来通りAll Passportsレーンでももちろん構いませんし、これがあると着陸してから街中に出るまでの時間がぐっと短縮できます。出張で一緒になった通訳者数名に訊いてみたところ、その人たちは皆このサービスを使っており、手間が一つ減るので助かっていると言っていました。

一つ難点があるとすると、パスポートや顔認識がうまくいかないことがあり、その場合は結局入国管理官のところへ行って審理されること。それでも、申請費用は高くはありませんし、イギリス入国時にセーブできる時間を考えると、私は補って余りある出費だと思います。

他にもいろいろとご紹介したいことがありますが、今回はこのへんで。
次回は出張の後編、海外編をお送りします。お楽しみに!

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グローブ座(右)、セントジェームズ公園の春の花々(左)

グローブ座(右)、セントジェームズ公園の春の花々(左)

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