第4回 スポーツ話題あれこれ

通訳ガイド行脚2007.07.17

スポーツの話題は必須アイテム
相撲部屋の稽古見学も人気上昇中

氷上の妖精達よ、転倒しないでとヒヤヒヤしながら見とれていたフィギュアスケートやスピード競技、静かにゆ~ったりと進むカーリング他、様々なウインタースポーツが終わったと思ったら、水泳、ゴルフ、野球に相撲・・・・もちろん、サッカーに野球に柔道、マラソンにと、年間を通して次から次へと目まぐるしいほどにスポーツの話題には事欠きません。応援するスター選手の一挙一動を息を呑んで見守りながら熱くなるファンの気持ちは、来日されるお客様とて同じ。タイムリーにスポーツを取り入れた話題を提供するのも通訳ガイドの必須アイテムです。

土俵上の力士の国際性が豊かになった相撲は、世界的にもかなり情報が普及しつつあるようで、外国人観光客が両国の国技館で相撲観戦をするプログラムが目立つようになりました。同時に「相撲部屋での朝稽古見学」希望者も増加しています。しかしここで時々、ツーリズムと厳しい勝負の世界の接点でのマナーが問われることがあります。

見学にゆけば、歓迎されて稽古後のちゃんこ料理までご馳走になれます、という部屋があるとテレビで紹介されていました。そこまではなくても、インターネットで稽古見学受け入れOKの情報を流し、稽古見学大歓迎という部屋も増えてきました。以前は閉鎖的にも感じられた相撲の世界が、オープンに世界の窓に開かれるようになったのは素晴らしいことです。

でも、いったん稽古が始まってしまえば、そこは力士達の厳しい戦場となり、無駄口は一切禁止。通訳の声もガイド説明の声もはばかられます。そんな場では、あらかじめ通訳ガイドがそのことをお客様によく理解してもらいマナーを守っていただく必要があります。そして事前にその場で目に入りそうな物事の説明を済ませておく。現場では「あれが、さっきお話していた柱ですよ・・・・」などと情報をアイコンタクトで伝えたり、小声で最低限のことを伝えるといった工夫をします。競技観戦に出向くのとは全くスタンスが違う、だからこそ貴重な体験価値もある部屋稽古の見学。お気軽ムードで連れていってはいけないのです。また入場料などを支払う訳ではないので、お酒や菓子などの手土産も準備したいところです。

ヨーロッパではサッカー>野球
お客様のお国の事情に合わせた話題を

夏の選抜高校野球もシーズンが近づきました。特にメジャーリーグへ進出した日本選手のお陰で、野球の話題は特にアメリカ人との間では盛り上がります。ついつい松坂や松井、イチロー、などのヒーローに言及したくなってしまいますね。先日MLB関係のセミナーを受けたところ、アメリカの専門家にとっては「現在のMLBの国際性が飛躍したきっかけは野茂選手であった」と捉えられていることが解りました。今後は中国その他様々な国の選手がMLB選手として名を連ねてゆくことでしょう。

しかし、忘れてはならないのは、アメリカ人にとっては野球が最も人気の高いスポーツではなく、アメリカンフットボールや、バスケットなどのほうが群を抜いていることです。またヨーロッパの人たちにとっては、野球は(オリンピックからも消えてしまうほど)マイナーな印象のあるスポーツで、彼らにとってはサッカーこそが庶民が熱くなる普及率第一のスポーツ。今年の夏は大阪で世界陸上が開催されます。でもアジアのお客様は陸上競技は不得手だったりすることもあります。お客様の国籍によって何を話題にとりあげるべきなのか一考を要すところ。あくまで通訳ガイドは「日本では~」ということを明確にすれば、何を語ってもどんなお客様でもハッピーにできるはずなのです。そこがガイド技術の問われるところですね。