第8回 お客様からのプレゼント

通訳ガイド行脚2007.11.17

チップはさりげなく納めるのがスマート?
今年もはや年末、クリスマスで賑わう季節がやってきました。通訳ガイドもSeason’s Greetings(さまざまな宗教や習慣の違いを考慮して、クリスマスカードではなく、季節のご挨拶となります)のメールやカードが届き始め、こちらもあわてて準備をしなくっちゃの時節です。

さて前回、最近では通訳ガイドの現場でお客様からのチップがいただけるシーンは少なくなってきており、いわゆる心づけが出るのは大型クルーズ船のお客様が多いと書きました。観光が終わるとガイドはバスの外、扉の傍でお客様一人ひとりに挨拶をします。その時、お客様がバスを降りられる時に心付けをいただくことが多いです。(当然、出来が悪ければ「なし」とはっきりしてますが)前の客が渡しているのを見て、ああそうだと思い出す方もいらっしゃるようで次から次へと受け取ることになります。(一人一日数ドル平均?)さりげなく握手を求められハグをして、ふと気がつくと自分の手にクシャクシャに丸められたドル札が残っていたという感じが多く、どうやらチップはできるだけさりげなく手渡すのがスマートなやりかたのようです。こちらも何事もなかったかのようにニッコリ微笑んで、ひたすら受け取った手を空にすべくササ~ッと納めます。だからクルーズ船のお仕事などでは必ずポケットのある上着を着たり、紙袋などを手に提げたりなんていう密やかな工夫をすることもありました。

思いやりがこもった
お客様からのプレゼントに感激することも

お客様からは金銭だけではなく、いろいろなプレゼントをいただくことも少なくありません。国から持参してきた民芸品、人形、テーブルクロス、ぬいぐるみ、ネックレスなどのアクセサリー、カレンダー(これが案外多いのですが、美しい外国の風景や動物などが素敵です。日本の祝日記載がないのが残念ですが。海外では日本と違って年の変わり目に企業が無料でカレンダーを贈呈する習慣がないので反対に一般の贈答品としてはポピュラーなのでしょう)。

一般のツアーでは、ツアー中にお客様がいつの間にか品物を買っておいて、最後に通訳ガイドに手渡してくれることもあります。ある時、日光から帰った翌日に日光彫の壁飾り盆をいただきました。ふと裏面を見ると全員の寄せ書きが書き添えられているではありませんか! 「ほとんど私と同一行動だったのに、いつそんな時間があったのだろう?」その配慮に感激でした。もっと驚いたのは一週間のツアーを終えて関空の税関に入る直前、「これ持ってって」と一片が20cmのボックスを渡された時でした。恐る恐る中を見ると、マスクメロンがドーンと入ってました。
そういえば、ツアー中に、日本の果物について語ったことがあり、マスクメロンが贈答品としてよく使われること、「高級メロンになると1スライスが2000円、一口が500円になりますから庶民には縁が薄いです」なんて冗談まじりに話題にしました。それをちゃんと聞いて覚えていてくれたのです! 東京まで持ち帰るのには重い重いプレゼントでしたが、お客様の顔が一人ひとり頭に浮かんでとっても嬉しい思いに満たされました。

写真やツアー中の光景をビデオに撮影したものを編集して送ってくださるのも一生の記念品です。そして、「君をわが国に招待したいのでエアーチケットを送りたいが、いつがいい?」なんてオファーもたまに耳にいたします。

お金をかけずに私もお返しに使える贈答品は何だろう? 時々考えることがありました。和紙製の財布、小物入れ、日本のカレンダー、小皿、絵葉書、浮世絵のテーブルナプキン、和菓子、etc. お互いに負担にならないプレゼントを常備するようになりました。
バスの中で行うゲームの賞品としても使っています。和風のSeason’s Greetingsのカードも名案かもしれませんね。