第22回 現場デビュー直前対策

通訳ガイド行脚2009.04.16

通訳ガイドの仕事に欠かすことのできない添乗業務に
新人は慣れることが先決

世界的大不況の風が通訳ガイド業界にも吹き荒れ、業務がキャンセルになる、延期になるかと思えばまた別の業務が入り・・・。立て続けに日程変更が起きることは例年のことではありますが、特に今年はガイドさん達もスケジュール表の書き換えに振り回されているようです。

純然たる通訳ガイド業務ではないですが、新人ガイドさんが経験を積む意味では English Speaking Tour Escort(英語を話す添乗員)業務に従事するのも良いステップアップの方法だと思います。添乗ではガイディングはせずにツアー旅程の運行がスムーズに進むよう、同行して各種の予約確認や誘導、移動のサポートをするのです。通訳ガイドとして自立した暁には、実際にはガイディングと同時に添乗業務もこなさなくてはならないので、最初からその二つをこなすよりは、基本となる添乗業務にまずは慣れておくのも視野を広げることになります。今日も、近々そんな業務にデビューするという新人ガイドさんから質問を受けてアドバイスをしてきたところでした。

最初の質問は、「どんな服装をして現場に出たらよいのでしょうか?」でした。

通訳ガイドや添乗員はきちんとした印象を与えたほうが安全です。特に新人の頃、そしてとりわけ添乗員の場合には、黒子的でしかもツアーの要になる役目をするので、ドレスコードは“ビジネス”が適切でしょう。男性ならば上着にネクタイ、ブレザーなどの着用。女性はワンピースやフリフリのついたフワフワドレスではなく、ジャケットを着用すればビシッとした仕事人に見えます。いわゆるダーク色のリクルート・ルックのスーツがあると、インナーを着まわし、スカートやパンツなどのボトムを加え、軽いコートを加えれば春の一週間程度のツアーならば十分です。靴は動きやすいウォーキング・シューズで良いですが、パーティや会社訪問などがある場合にそなえて、パンプスも荷物の中に入れましょう。寒暖の差があっても調節がきき、脱いだ時に小さくたたんで持ち歩きができる軽いウインドブレーカー的な羽織物もツアーの同行スタッフという立場には便利な小物かもしれません。

添乗員ではなくガイドさんとして現場に出る時には、ちょっと楽しさも感じられれる目立つ服装もいいし、パーティなどには控えめに雰囲気の出る装いも演出できるといいですね。添乗員は裏方黒子、通訳ガイドは表でスポットライトを浴びる役目という違いがあります。

新人だからこそ“見た目”を良くして、
パワーアップを図りましょう!

精神的にギリギリで緊張して現場に臨む新人の場合には、少しでも安心な条件、成功につながる要件を満たしておくことが必要です。服装が自由奔放的でだらしなかったり、ラフな印象を与えると、ツアーに万が一トラブルがあったりお客様が満足しない状況が発生した時に、それが無意識的にお客様の不信感、不満感を増長させる恐れにつながりかねません。「あんないいかげんな格好をしたガイドだから仕事もきちんとできなかったのではないか?」と。“見た目”は思ったよりも重要なポイントになります。すべてが自分の味方になってくれるように環境を整えましょう。お客様がリラックスできるように自分もカジュアルな装いで臨む~などは、現場の空気が読めるようになってからのことです。

鞄は、きちんとしたブリーフケースである必要はありません。が、少なくともA4サイズの書類がをたくさん出し入れしやすい、そして様々な小物を押し込んでも大丈夫そうな大きめの使い慣れたバッグが良いでしょう。地面に置かねばならないこともあります。少しぐらい濡れても大丈夫で、どんな色にも合う軽いものを持つように私は心がけています。

財布も、添乗金(ツアー経費として預かった仮払い金)の出し入れがありますから、個人の金銭と混ざらないようにしっかりしたジッパー付きのビニールの袋物を財布代わりにして、そこに領収書もパッと収納できると便利です。領収書は何日も整理を怠って溜めこむとツアー終了後の精算業務が苦痛になってしまいます。できれば毎晩、その日の支出・収入をメモにつけて領収書もクリップ留めで管理できると後が楽になります。

旅程表などを手に持った時に見やすいようにパチンと書類をクリップで挟めるバインダーを用意したり、首からぶら下げるボールペンなども重宝したりしますよ。
現場デビューを控えた方のヒントになれば幸いです。