第23回 金融不況に続き、旅行業界に大打撃! Swine Fluの脅威

通訳ガイド行脚2009.05.16

新型インフルエンザの発生報告とともにパッケージ旅行、報奨旅行、
イベントにいたるまでキャンセルが相次ぎ・・・

Swine Flu! 豚インフルエンザの威力は、世界中に一体何と言う事態をひきおこしていることでしょう!

この感染の早さ、深刻さには驚愕の思いです。海外旅行出発予定組が苦渋の判断で旅行のキャンセル手配をし、当然ながら旅行会社の扱う海外旅行のパッケージツアーは即、全面キャンセル。企業やグループの主催する視察旅行・報奨旅行も延期検討で、出発日を直近に控えたツアー、夏ごろまでのツアーはキャンセルが相次いでいます。この類のキャンセルではキャンセル料金が派生しないことが多いので、旅行会社やツアーオペレーターなどの業者はどうやって赤字をやりくりするか頭の痛いところでしょう。未曽有の経済不況下、ゴールデンウィークに業績挽回を狙っていた旅行業界の経営計画は目を覆いたくなるようなスピードで崩れ落ちそうです。

旅行だけではなく、イベント関係もキャンセル、出控えとなると泣き面に蜂とはこのことでしょうか。感染症そのものへの不安と同時に、仕事がなくなるかもしれないというシリアスな不安のミックスです。まったく一瞬先には何がおこるかわからないものですね。

海外への旅行がキャンセルということは……もちろん、来日するお客様にも同様な現象がおきるのです。空港にも制限が加わって自粛ムードに包まれてしまうと、今ブッキングがはいっている通訳ガイド関連の業務も明日、明後日にはキャンセルの連絡が立て続くのかもしれません。

通訳ガイドは外国からの未知の魅力的な文化に触れる最前線の職業であり、新しい情報や生の人間交流に素晴らしい意義を感じるものですが、良いことだけではなく悪い影響も受けやすいのですね。

有名な政治家のファミリーなどをご案内する仕事の場合には、精神的に高揚する嬉しい緊張と同時にテロリストに狙われる事故に巻き込まれる可能性だってないわけではありません。また、新型インフルエンザを水際で止められなかったとしたら、潜入したウイルスに遭遇する確率は通訳ガイドは高いわけです。かといって通訳ガイドがマスクをしてガイディング・・・なんてちょっと想像がつきませんね。思えばSARSが流行した時にも怖い思いがありましたが、一刻も早く適切な対策が講じられて安心して旅行や文化的な生活が楽しめる日々が戻って欲しいものです。

通訳案内士の実務研修が雇用対策の補助金対象に
有資格者以外にも利用できる制度に

ちょっと暗い話題が続いてしまいましたが、不況の世の中だからこその、素晴らしいニュースも実はあるのですよ。政府が雇用対策のために各種の補助金を出すこととなり、それは我々の観光分野でも例外ではなさそうなのです。通訳案内士の実務研修に政府の補助金が出る可能性なんて、今までは望んでも望んでもとうてい考えられませんでしたから半信半疑でした。

しかし、2020年には訪日客2000万人の観光立国を目指す日本としては、高度な知識や技術をもった人材を育成しなければならないのです(やっと気がついてくれたの?という思いもありますが)。そのような方針に基づいて技術を磨く研修に補助金対策がおりるとなれば、こんなにありがたいことはありません。

現在、通訳ガイドの現場に必要とされる本格的な実務研修は、主として通訳案内士組織が実施していますが、NPO法人GICSS研究会を除いてはそのほとんどが有資格者の通訳案内士だけを対象としたものでした。しかしこの補助金枠は、実現すればガイドとして活躍中の有資格者の方々に限らず、意識の高い一般の人誰でもが参加資格を持つのです。内容が充実したプログラムで参加費用も破格に低額となるこんなチャンスはめったにありません。人気が高くて抽選になるかも?などという噂もあるくらいですが、継続的に情報チェックしてみるとよいと思います。

加えてこんなご時世には自主的な技術研究に精を出してみてはいかがでしょう?
普段はできない下見や勉強をしませんか? スタンダードな観光地はもちろんのこと、日本酒の酒造り、刀剣博物館、古来の伝統文化、能や狂言、書道などの理解を深め、それを自らの哲学でわかりやすい解説ができるようになるには時間がかかるのです。