第28回 不況のただ中で発見した通訳ガイドのポテンシャル

通訳ガイド行脚2009.10.16

通訳ガイドの仕事が
あまり認識されていない現実に愕然

「今年は暇」こんな不安そうな声がアチコチから聞えてくるご時勢ではあります。旅行を低料金で楽しんでいただくために、 「ショッピングエスコートなどその業務内容によっては有資格者ではない一般のボランティア・ガイドの活用も視野に入れては?」という意見も旅行業界内部からでてきます。しかし、私達の仕事の専門性や技術を高めておけば新しいニーズもまだまだ掘り起こせるぞ、という心強い現実も再発見しましたよ。

最近、旅行業界とは無縁の某医療機器メーカーで「通訳ガイドという仕事」を紹介し、その社会的認識を高めるための勉強会の講師を務めた時のことです。下記は空港の送迎からホテルへの入れ込みやら観光・視察への同行、夜の接待のサポート…こんなこともやるのですよ、と解説したセミナー終了時の質疑応答です。

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「通訳ガイドさんは、旅行会社を通じて依頼しなくてはいけないのでしょう?」
【答】いえ、そんなことはありません。知合いに通訳案内士がいたら直接依頼していただいてよいのですよ。

「ランデルさんのところのような通訳ガイド団体に申し込んでも紹介してもらえるのですか?」
【答】もちろんです。旅行会社、ホテル、バス会社からだけでなく、一般の企業さんからも直接ご依頼いただくことがあります。私ども以外にも様々なガイド組織がありますよ。

「旅行の切符を預かってもらったり、入場料支払いなどの世話もしてもらえるのでしょうか?」
【答】はい。通訳案内士は旅行会社の社員と似たような添乗業務ができるので、お客様をそっくりお任せいただけます。専門家に観光の説明はまかせて、さらに社員の方が同行されればお客さまにとっては最高のサービスが提供されますね。

「1日だけでも、いや反対に何日間でもいいのですか?」
【答】半日でも、1時間でもOKです。

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え?通訳ガイドからすれば「そんな基本的なところに疑問を持たれていたのか!」という驚きもあり、それが新鮮な発見でした。

「通訳ガイドという職業が存在することも知らなかった。うちが使っている旅行会社の担当者は知ってるのかなあ」
「年に何度か外国の取引先客が来日するたびに、社員の誰が観光に連れて行こうか? と担当部署の社員は気が重くなっていたのです。食事や飲みにはつれて行けても観光の説明はなあ…」
「うちのような会社は世の中にいっぱいあると思いますよ。東京オリンピックは実現しなかったけど、絶対ビジネスとしては潜在的なニーズがしっかりあるから頑張って下さい」

アマチュアと一線を画す
プロの技(わざ)を磨こう

逆に励まされて苦笑するような展開でした。でも、これは良いことを聞きました。そうか、世の中で通訳ガイドはまだまだ十分広く認知されていないんだ! 問題はどうやってそれを広く紹介して利用してもらえるか、です。旅行会社やホテルだけを頼りにせず、コツコツ積極的に営業する必要性を再認識です。
ボランティアはこれからも増えます。ボランティアも必要な世の中です。でもそこで、あえて「プロに頼みたい」という顧客層にその良さを知ってもらいたいですね。アマチュアとの一線を確実にひけるよう、正確な知識と情報、判断力、機転の利かせ方、ホスピタリティ、エンタテイメント性、金銭管理能力、精算事務作業力、そして感じの良い人柄、笑顔・・・すべてを磨いて備えましょう。