第49回 通訳ガイドの仕事獲得術

通訳ガイド行脚2011.11.16

面談したいと思わせるポイントを押さえよう
今年も国家試験の一次合格者発表がありました。このあと二次を突破した最終合格者の発表は2月です。国家試験に合格すれば通訳ガイドの現場に立てる…という夢を実現していただきたいものですが、資格を取得すればすぐに仕事がまわってきて活躍できるのでしょうか?

実は通訳案内士に限らず、資格を取得して働く者は税理士も弁護士も含めて、自動的に仕事が紹介されてくる制度ではなく、ほとんどが何らかの就活を経て仕事口を探すというプロセスを必要としています。とくに仕事のあるときだけ声のかかる通訳案内士業務では、数多い候補者の中からどのようにして選ばれる人材になるかということは大切なポイントです。少しでもハードルが越えやすいように、参考にしていただきたい情報をお伝えしましょう。

これは複数の某大手の旅行会社のガイドアサイン担当者から聞いた話をもとにしています:
「連絡をくれた人とはできるだけ面接をするように心がけてはいるが、実際に面談するところまで辿り着くのは全体の何割かです。」
面談に至る営業のしかたも既に適正チェックの項目に含まれているのですね。

※たとえばこんなケースは要注意です。
合格者発表後、3月4月になるとガイド就業希望者からの電話やメール、郵便による連絡がどっと担当者宛に届きます。担当者が打合せで席を離れ、しばらくしてから席に戻ると、電話の伝言メモがデスクに残っています。
“ガイド試験合格者です。折り返しお電話下さい。田中。”
「知りもしない相手に対して、連絡の返事を要求するような人には返事はしたくありません。こちらが募集した際の応募者ならばわかるが、ガイドは既に何十名かはいるので、まずは社会常識やマナーを心得た人を選んでしまいます。」
「名前に苗字しか書かない人が多すぎます。まして田中、佐藤、鈴木・・・世の中に同じ名前の人が何人いるのでしょう?初めての相手に対して失礼ではありませんか」
そうです。旅行会社は常に優秀な有資格者を求めてはいますが、採用したいのは信頼のおける人、会社の代表として誰に会っても恥ずかしくない良識を心得た人です。

面接を希望する連絡を受け取った場合、担当者はこちらが会いたい相手かそうでないかを知るために、もう少し情報を必要とします。

英語のガイドは十分に人数が足りていることが多いので選抜が厳しいこともあって順番待ち状態かもしれません。しかし英語以外の言語であれば即、面談したいかもしれないのです。何語のガイドさんかな?と思った時に、特に英語のガイドの場合にその記載が抜ける人が多いとの指摘です。自分は当然と思って書き忘れることが重要な情報であることがあります。

趣味、得意分野など積極的に情報開示を
履歴書を郵送した、メール送信しただけで単に応答がない、なしのつぶてだ…と思っていないでしょうか?余程魅力を感じなければ面談に進まないケースも多々ありです。少しでも相手の印象に残るよう、表情の良い写真付き、目立つイラストの入った名刺?など細かい努力が功を奏します。何度も連絡をしてきたり、「是非会って下さい」と強く言われれば、やはり面談することになる可能性が高いのが事実のようです。積極性=熱意と解されるのですね。

さらに、自分の情報を開示した形のほうが魅力を感じてアプローチされやすいことを覚えておきましょう。
担当者が尋ねたいと思うような情報は、事前に提供しておけば担当者の手間隙が省けて好感度がアップします。“相手のニーズを見抜いて情報提供する、スムーズに要領よく伝えられる才能”はガイディングにも必要とされる共通点ですね。

専門言語、年齢、性別、業務経験(通訳ガイドに関連する業務も含めて)、過去の業務実績、趣味(SITなど特殊なテーマで動くツアーではどんな分野に詳しいかが、セールスポイントになり得ます。)、外泊が可能かどうか、得意とする地域そして分野(歴史、美術、建築、エコなど)は何か?
そして、通訳ガイドの業務に対してどれほど熱意を持っているのか?接客サービスとして適性があるか?

これからは観光だけではなく様々なテーマをもったツアーが増えるので、得意分野を持つこと、歌、手品など何でも良いから特技をもって付加価値を認められるようになることがお勧めということ、実感しました。
「今までは重視していなかったガイドさんの趣味の記述に目を向けるようになりました」という旅行会社の方の言葉が印象的でした。