第64回 「自分流」ガイドコースを開発しよう

通訳ガイド行脚2013.02.16

「(私)の銀座」というご案内のしかたをご紹介・ご提案したいと思います。銀座に限らず渋谷でも青山でも、あるいは浅草など全国すべての地域や「寿司」など一般事象にあてはまります。

つまり、定番お決まりのコースにとどまらず、ガイドさんのオリジナルな切り口による付加情報を補足することによって、いかに同じ銀座がより興味深くプレゼンテーションできるか? を目指すことです。そのガイドさんでしかできないようなルートを開発してお客様に喜んでいただければガイド冥利に尽きますね。

店や集合場所は手書きで
銀座の場合には通常、A歴史、B高級志向の買い物の名所、という面からお話をされることが多いと思います。でも、「銀座のここに行きたい!」と目的を持ってお目当ての店が既に決まっているようなお客様以外には、店舗がたくさんあり過ぎて逆にどのようにご案内して良いのか戸惑ってしまう場合もある場所かもしれません。

まず、旅程に銀座が入っている場合、ツアー現場では実際に、どのようにガイドがされているのでしょうか。団体旅行では自由行動時間として、集合場所だけきちんと打ち合わせて自由解散にします。ちなみに貸切バスや大型車両を使う時などは、
(1) 晴海通りの三原橋付近 または
(2) 中央通り(銀座通り)の銀座8丁目新橋方向の東京高速道路の手前付近
のいずれかでバスを降り、そこに時間を決めてバスに迎えにきてもらうのが一般的です。「もし集合時間に遅れたら自力でホテルに戻って下さいね」と、地下鉄やタクシーの利用法を説明しておくのも忘れないようにしましょう。

地図にめぼしい店と集合場所の印をつけて、あるいは手書きの地図を準備して配布するのはお客様にも優しいし、迷子を出さないためには効果的です。(地図例)

手書きマップ

偶然にも名前がすべてMから始まる銀座のデパートは良い目印になります。今やDepachikaという言葉も普及しつつある食料品フロアーも人気があってお勧めですね。その場所までお連れできると安心です。外貨両替や寿司、しゃぶしゃぶ、鉄板焼きなどの代表的な日本食レストランがある銀座COREなども食事には便利です。話題的には人気の“俺の~”シリーズ「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」も日本で今、ホットな店として面白そうですね。ミシュランに登録されるほどの名店のシェフが引き抜かれて料理する美味しさ抜群の高級さなのに、立ち食いという店の設定によって超低価格で早く食べられる店は、いつも開店前から行列です。まあ外国人客が好むかどうかは別の話ですが。

ファッションやブランド、伝統小物などの店舗に加えて、銀座は画廊やギャラリーが集中してあるのも有名です。マニアの外国人ならとびつくような黒田陶苑、そしてモダンアートの東京画廊などユニークな場所も最近訪れることがありました。

ところで東京画廊の最上階窓にはなぜか菜の花が…。実は銀座を飛び交う蜂の足休め用なんだそうです。銀座ではビルの屋上で10万匹のミツバチが飼育され、皇居や浜離宮、銀座の街路樹など4キロ四方から密が運ばれて年間1トンもの蜂蜜が作られていると聞いて驚きました。皇居からとった蜂蜜を雅子妃殿下もお買い上げになられているとか。

こんなエピソードが、ガイディングを厚みと温かみのある内容にしてくれそうですね。

自分で見て聞いて感じた「自分流の」ガイディングは強力な商品です。特に、銀座は昼の顔と、夜の顔がある街。夜の銀座も別世界と敬遠せずに、庶民の目線で新しい発見をして紹介してみませんか。