第94回 マジック・ワードは“OK!” 

通訳ガイド行脚2016.08.02

たった一言“OK!”の威力
「これは魔法の一言だ!」と感じる言葉があります。お客様をご機嫌よくする言葉。楽しい気分が涌く言葉、安心感と好感度を高めるマジック・ワードです。それは、“OK!” の一言です。

あらかじめ聞いていた旅程には含まれていないのに、ハイヤーを貸し切ったお客様、あるいは個人客として通訳ガイドのサービスが自由に受けられるお客様などから、突然「ここに行きたい」「どこか探して!」などと、唐突な依頼をされることがあります。

「ええ~っ!」と一瞬、心がざわめいて躊躇するような表情が出そうになりますね。
「そこは行ったことがない」「それってどこ?」「困ったな……」
ガイドがたじろいだ印象を受けると、お客様は、
「大丈夫なの?このガイドさん」「嫌がっているのかな」「お客のリクエストが聞いてもらえないの?」
と不信感や疑惑を覚え、それがガイドに対する評価にもつながっていきます。
ドライバーと相談しながら、携帯や端末でネット検索しながらたどり着くような有様だと、ちゃんと到着できたとしても、後から
「何も知らないガイドだった」「信頼がおけない」
などとクレームにも繋がりかねません。グレーの部分が黒くなってしまうのは、最初に依頼されたときに、対応するガイドの表情に左右されるのです。

最初に何を言われても、余程のことではない限り、まずは、即、明るい表情で“OK”と言ってみましょう。その3秒のリアクションでお客様は、まず、ガイドが自分の希望を理解してくれた、という点に安心と満足感を覚えます。

まずはYESの“YES-BUT”法で
でも、もしそれが到底実現不可能なリクエストであったらどうしましょう?
それでもまず最初にOKをいうためには、
「OK!あなたのご希望は理解しましたよ。…しかしですね、実はそこはもう閉園してしまったのです」
「OK! わかりました。本日の営業時間を確認してみましょう」と言って、おもむろに電話をしてついでに詳細を尋ねておく。初めての場所でもそこで確認ができますね。

間違っても「その場所は知りません」とか「聞いたことがありません」などとは口走らないことです。

コミュニケーションの手法に“YES-BUT”法があります。何を言われてもまずはYESで相手のいうことを全面的に受け入れる。これが大事です。そのあとで「しかしながら実はですね…」と、申し入れると、ネガティブなコメントでも聞く耳を持ってくれます。最初からNO!では、まず自分の言った希望を頭から否定された気分になり不愉快な思いが先立ってしまうのが人間の心理なのですね。

さまざまなお客様がいますが、最近増えてきた富裕層やVIPのお客様は特に、優待されたい、特別扱いされたい、優越感を期待する面が強いですので、こんな手法を効果的に使ってみると良いかと思うのです。ガイドの評価をあげるコツでもあります。

明るい顔で即、OK! このマジックワード効果を是非体験してみてはいかがでしょうか?