第69回 旅を盛り上げるヒントが満載!高校生ツアーの現場レポート

通訳ガイド行脚2013.06.16

夏休みのシーズンは、学生ツアーも盛んです。国際国流を目的に来日したアメリカ人の高校生ツアーにアテンドした通訳ガイドさん達から寄せられた現場レポートには、通訳ガイドの業務を行うにあたって参考になるヒントが満載でした。一部をご紹介したいと思います。

REPORT1
●来日の初日は空港直後からトラブル続出。到着早々税関のところにiPhoneを置き忘れて来てしまったという学生がいたのです。すぐに頼んで調べてもらったが発見できず。とりあえずホテルに向かって翌日再度探すことになりました…。
⇒各種のトラブル多発が予想される学生ツアー。一番多いのが忘れものです。その人にとっては一大事ですから親身になってケアしてあげたいですね。でも同時に全体のツアー行程も進めねばならないので、ガイドや他の作業をしながらの連絡の取り合いで忙しさが倍増です。常に状況をクリアに説明して、メンバー全員が納得してその場で忘れ物探しの時間を待ったり、遅れた予定に追いつくように急いで移動するなどの協調協力行動ができるといいですね。

REPORT2
●グループの引率の先生は、よく日本を研究している人のようでツアー中に学生に退屈させないようにいくつかのコメントを書いたカードを用意してきていました。適宜それをゲーム感覚でピックアップして紹介するのです。「日本で“アメリカンを下さい”と注文すると出てくるのは何でしょう?」など、鋭い視点のコメントにこちらもつい楽しませてもらっちゃいました。
⇒通常のガイドの現場でも、新鮮な外国人の視点からのコメントや質問には目を見張ることがあります。日頃からこれは!というネタを収集こころがけましょう。幅広く使える技ですね。

REPORT3
●7/4は独立記念日だったので、地方の宿泊施設の許可をいただき、花火大会を開きました。最後にはアメリカの国歌を歌ってすごく盛り上がりました。その後、広島では皆とても真剣にガイドさんの説明を聴き、折り鶴を捧げる時にはアメイジンググレイスを歌いました。
⇒花火はこのシーズンならコンビニで手軽に入手できます。打ち上げ花火は問題が起きやすいのでやめましょう。日本情緒を体験する良いアイデアですね。お金をかけずに楽しんでもらうにはどうしたら良いか?提案するガイドさんの腕次第で日本滞在が忘れられない思い出になります。そして、音楽は心をつなぎます。一緒に歌える世界の名曲をたくさん知っていると良いですね。

REPORT4
●厳島神社は大雨でしたが、厳島神社の手水舎の前で「もうずぶ濡れだからこれ以上purify(清める)する必要はないわね。」と言ったら大受けでした。
⇒神社参拝に欠かせない手水舎での説明も、こんなユーモア溢れるトークがあれば“雨降り”だからunluckyという概念は吹っ飛ばせそうですね。どんなマイナス点も楽しく受け止めるリーダーになりましょう。

REPORT5
●京都までのバスのトイレ休憩のS/Aでキビ団子を売っていたので、人数分買ってバスの中で食べながら桃太郎の話をしました。
⇒お客様が大喜びして、美味しかった、珍しかったで終わることなく、それにまつわる興味深いトークのネタになって成功への道に繋がるならば、ちょっとした自腹での経費も惜しくはなくなりますね。日本昔話は日本文化の背景を語るとっておきのストーリー。英語でスラスラお話できるようになりたいですね。

REPORT6
●午前中の箱根は濃霧と強風のためロープウェイが運休でしたが、そのおかげで箱根の素晴らしい四季を映像で見ることができました。箱根ロープウェイの乗り場に近いところにある、環境省の箱根ビジターセンターでなんと無料!小動物や箱根の自然に関することを見ることができる施設です。箱根ゲストハウスのオーナーから教えていただきました。お勧めです。中途半端な天候で、ロープウェイに乗り、霧や強風の中を歩くのはできれば避けたいと思っていたので、朝電話をして2本とも運休をしていると確認できたときには、内心「やった!」でした。ビジターセンターのスタッフの方から、この天候が箱根らしさで、これがこの美しい緑を作っているのだと教えていただきました。濃霧は、アリゾナやフロリダの生徒さんにはとても珍しいもの。サンフランシスコ組はJust like home。お天気も考え方で受け取り方が変わることを知りました。
⇒天気の悪い日も当然あるのですから、それをどのように扱うか!がガイドの腕の見せ所。日頃のプラス思考が活きますね。出身地によってお客様が何を珍しいと喜ばれるのかはガラリと変わります。 海岸線を見たことのない人、山の景色が珍しい人…。ツアーでガイド自身も学びが多いと、とても充実感が高まりそうです。

このレポートは、まだツアー現場が初体験または1年目という新人通訳ガイドの皆さんからのものでした。が、読んでいると前向きに頑張る姿が浮かんできそうですね。次は読者の貴方の番かもしれませんね。