第75回 サブカルチャーの聖地、秋葉原ガイドのルート案

通訳ガイド行脚2014.01.16

前回は秋葉原の興味深い歴史的背景について触れてみましたが、今回は、通訳ガイドに役立つ現代の秋葉原をご案内するルート案をピンポイントで紹介してみましょう。

秋葉原駅、電気街方面に出ると駅前広場・秋葉原クロスフィールドなど再開発されて近代的な美しさが印象的です。しかしすぐ近くには小さな小売店が雑居するような一昔前の薫りがする建物が並びます。ぼーくす秋葉原ショールーム、ホビー天国には現代のホビー文化を象徴するキャラクターグッズ、プラモデル、フィギュア、工具、用材、ドール専門店などがあります。

コスプレ居酒屋、フィギュア、ロボット……魅力満載の街
ザ・グランヴァニアは以前は落ち着いた雰囲気のカフェだったのが、2009年にコスプレ居酒屋となり、売り上げが3倍になったという店です。

戦後の姿を残す数少ない電気電子部品パーツ専門街は残念ながら縮小の途を辿っていますが、この近辺でコメントしたいのは、あちこちの店頭で見受けられる縦横が45cm幅程度の小さな透明アクリルケースです。月々のレンタル料金を支払えばレンタルショーケースとして自分のコレクションや商品を展示販売できるのです。マニアックなジャンルがしっかり生き延びる秋葉原ならではのビジネス・スタイルとなっていますね。

ラジオ会館1号館には、海外でも人気のトレーディング・カードや、世界的に有名な海洋堂のフィギュア売り場、胴体から洋服小物まですべて自分で選んで組み立てることができる売り場などが並びます。
海洋堂のフィギュアは、その精巧な仕上がりで人気があります。フィギュアを単なる人形として見るのではなく、ミニチュアの動物や人物の姿の再現技術という視点から捉えてみると、“これは日本人の「モノづくり」技術の高さを象徴する大切なグッズである”と外国人のお客様には紹介したいものです。

通訳ガイド視点でみると、お薦めは仏像フィギュアをゲットすることだと思いました。お寺で見てきた観音様や大仏様、あるいは不動明王などのフィギュアがとてもチャーミングに感じられます。仏像フィギュアを最初にお見せして興味をひいておいて、仏像や仏教、宗教のガイディングを行うのもユニークで効果的です!

日本の現代エンタテイメントを紹介しよう
さて、中央通を渡って進み内田ビルの4Fにあるヴィストンは、ロボットの専門店。ここでも日本のロボット技術の高さを実感できる商品や展示物があります。お店が混んでいなければロボットのデモンストレーションを見せてくれますので、特にロボットに興味がない人でもその絶妙な動きを見るだけでも楽しめます。秋葉原滞在にどれくらいの時間があるかによって、どの店をどうご案内したらよいかというルートを予め考えておくと良いですね。お客様の興味の具合によって自分オリジナルのAコース、Bコース…など。

そして、忘れてはならないのがメイドカフェです。中には怪しげなお店もあるので、リサーチしたうえで安心な店をご案内すべきですが、異次元の星から来たような若い女性達がメイドコスチュームで一生懸命に歓待してくれます。

実は私も体験をしてみましたが、彼らの軽いパフォーマンスを見ているうちに、ふとこれは古い都のお座敷遊びの感覚と相通じるものがあるのではないかという気持ちになりました。カフェでやっていることはまさに「お遊び」「ゲーム」で、日常の生真面目な堅い職場や家庭から離れた別世界を楽しめるものです。ひょっとしたらその昔の大名や侍、商人達も、普段の息抜きに、舞妓さんや芸妓さん、芸者さん達と子供心にもどって単純なゲーム遊びをして楽しみ、日頃の憂さを晴らしてリフレッシュしていたのではないでしょうか?そうだとしたら、スナックやクラブのように、メイドカフェはおじさんも若者も一人で気楽に別世界を楽しめる現代エンタテイメントの形の一つなのですね。
そんな風に外国人に語ってみたらどうかな?などと思う最近の秋葉原です。

AKB48をきっかけとして日本全国各地の町興しアイドル文化も生まれました。アイドルの卵たちと、応援するファンの「ヲタ芸」を見る店、客をプロデューサーと見立てて店やアイドルを育てさせるビジネス手法など、あらゆる新しい発想による参加型の楽しみが若者を惹きつけて離さない魅力があるのでしょう。

こういったことをガイディングに含めて語ってみてはいかがでしょう。奥深いですよ、最近の秋葉原。通り抜けるだけではもったいない!