第79回 次の仕事につながる?!報告書の書き方

通訳ガイド行脚2014.05.16

この春シーズンは、業界も驚くほど外国人観光客数の増加がめざましく、新人ガイドさんもたくさん現場にデビューしました。清水の舞台を飛び降りた人がどれほどいたことでしょう。プロとしての仕事にはガッツや覚悟、思い切りや度胸も必要ですね。

お客様と最後に別れたら「無事終わった~!」と一息のんびりしたいところですが、実はお仕事はまだ終わっていません。すぐに精算書の提出が必要で、報告書も添えるのが普通です。精算書はエクセルのフォームに記入するスタイルが多く、溜め込んだ領収書の山と交通費、通信費の記録をつけたメモ帳とのにらめっこタイムがやってきます。これをまとめて提出してやっと業務終了!となるのです。

精算書は、通常、顧客会社の様式に従って書きますが、報告書に規定がない場合は、どう書いたらよいのかと戸惑う場合があるようです。たくさんの報告書に目を通して気がついたことがありました。

●“変更が多くて…”“お客様の要望が難しくて…”“交通渋滞で…”“食事がお客様の口に合わなくて…”、「大変だった」「きつかった」「辛かった」「困った」
こういった言葉は、あまり連発すると逆に「厳しく感じたのは、ガイドの経験不足や技量不足も原因のひとつではないだろうか?」と思ってしまう時もあります。
ガイド個人の奮闘日誌的な要素は、現場の様子を把握できる点は良いのですが、ガイドさん自身の評価材料にもなることを覚えておきましょう。

●「病人が出たので病院搬送に初めて救急車に乗りました」 
この場合も、初めて救急車に乗ったというガイド自身の体験報告で終わっては意味がありません。記載して欲しいのは“病人の氏名、病状、その後どうなったのか”という事実です。大切な記録です。

●「手配が悪くて現場の対応に苦労した」
報告書を読むのはその手配をした方々です。“あなたの仕事ぶりが悪かった”と言われれば、もちろん事実として真摯に読まれると思いますが、口頭での会話と違って文字で残るものなのでインパクトが強く、もう少し別の表現がないものかと思います。たとえば「バス手配場所が間違っていた」「レストランの予約人数が大幅に異なっていた」など具体的に事実を知らせるのが良いでしょう。しかし、若干の手配ミスは日常茶飯事であり、それを当日までに確認して問題とならないようにするのは通訳ガイドの“予約の事前確認”業務の一つです。許容範囲を超えたらば、やはり報告ですね。

報告書を読むほうが望むのは、

①お客様の様子→満足か不満足か、楽しんでいたか等

②手配内容に対する客観的なフィードバック→旅程や、ベンダー(レストラン、車両など)サービスについての報告、お客様の反応:「レストランはサービスが良かった」「客がとても気に入っていた」「運転士が協力的だった」「お客様が満足して喜んでいた」「駐車場の位置が遠すぎてお客様からクレームがあった」など。

③今後への提案→お客様からの希望事項と、ガイド視点での提案事項など。
これは旅行会社が今後、営業を進めるうえでとても役に立つ貴重な情報となり歓迎される項目です。

④ダラダラと細かすぎず長すぎない報告→端的に要点がわかるとありがたいのです。細かい文字での自己満足長文は迷惑になりがち。読み手の立場に立って書けると良いですね。
そして最後に一言、通訳ガイドの個人的感想が添えられるのも好印象です。「いろいろあったがとても楽しいツアーだった」「次回も是非やりたい…」とでも書いてあれば、やっぱりそのガイドさんに頼んで良かったと担当者は胸をなで下ろし、次回もまたご依頼があるのではないでしょうか。