第33回 おすすめ! 目から鱗の日本語の本

1.
サムは、ハリウッドに出て行くことも簡単にできたはずだ。作品を見る目は確かだったし、脚本を書かせればウィットに富んでて独創的で、見ている人が早送りボタンを押してしまうことなんてあり得なかった。

(なかなか良くまとまっていますね。「ウィットに富んでて独創的で」の部分は、「て~で」がちょっとリズムが悪いので、「ウィットと独創性に富んでいて」とか。さもなければ、読点を打つといいかも知れませんね。
<余談>仕事ですから。最近は、2ちゃんねるで書かれたらしく、さらに応募が増えているので、責任を感じます(^-^;)

2.
サムだったら、ハリウッド界に簡単に飛び込んでいけたはずだ。書き下ろしたばかりの脚本にさえ、文才が光りしゃれが効いていて、おまけに仕事も速く、倍速モードでやらせる必要もなかった。

(「ハリウッド界」は言わないんじゃないかなあ。ハリウッドだけで分かると思います。「永田町界」とか言わないでしょ。「書き下ろしたばかりの脚本」はちょっと行き過ぎ。「文才」は脚本の話だとちょっと違うかなあ。「優れた詩文を作る才能。文筆の才能。」なので、間違いではないけど、最終的に仕上がるものが映像だもんねえ。「仕事も速く」以下は読み違いです。英語は慣れだから、自分が不慣れな分野でもいろいろ読んだ方がいいですよ。
<余談>男女問わずとにかく生存権は保証するようにした方が良いと思います。たとえばベーシックインカムというのは一つ考えて良いと思うんですが、そうすると、怠惰になるとか、金だけもらって遊興費に使う人が増えるとかいう反対意見が必ず出るんですね。でもこれっておかしくて、極端なことをいえば、「勉強をしない学生が出るから、学校なんかやめるべきだ」みたいな論理だと思います。要は困窮している人が実際にいるわけですから、そういう人に届くようにするのが先ではないかと。)

3.
サムならハリウッド進出もわけなかった。構成への慧眼があったし、機知に富んだ自前のシナリオを書いた。実際、サムの作品を観ている時は、早送りボタンから指が離れたものだ。

(少し「てにおは」の部分を訳しすぎてしまっているように感じます。あと全体のトーンかな。「わけなかった」というくだけた表現と「慧眼」や「機知」はどうも合わないです。後半の視点を自分にもってくるというのは間違いではないと思いますが、それなら「早送りボタンなんか押せ(っこ)なかった」のように持って行った方がいいかなあ。
<余談>がんばりましょうね。)

4.
サムの才能はハリウッドでも充分通用したはずだった。彼には卓越した構成力、ウェットに富んだ文章力、そんな才能があって、彼オリジナルの台本の面白さには目を離すなんて事できなかった。

(うーん、最初の行は、多少足しすぎにも感じるものの、悪くないです。ただ後半がちょっとばらけているかなあ。「original」は独創的という意味ね。あとやっぱりこれだと台本(そのもの)から目が離せないというように読めちゃいます。
<余談>はじめてだからまだここのやり方に慣れないかも知れませんが、だんだん分かってくると思うのでがんばってください)

5.
サムならハリウッドまでいっきに登りつめることも簡単にできただろう。彼にはプロットの良し悪しを見極める上で卓越した力があり、本当に見る者を退屈させないような、ウイットに富み斬新な脚本を書いていたのだ。

(悪くはないんですが、ちょっと表現が回りくどくなっていると思います。「卓越した力」だったら「見極めるのが得意」とか「見極めるのがうまく」くらいでも困らないんじゃないかな。FFの部分は思い切って変えていますが、これはこれで良いと思います。)

6.
サムなら難なくハリウッドに進出できたかもしれない。彼は見事な構成力を持っていた。彼の書く台本は機知に富み、斬新で、退屈させる場面が全くなかった。 (けっこう良いできだと思います。ただまだ硬い感じがしますね。意味はきちんとくみ取れていますが、原文の持つグルーブ感みたいなものが活かされていない。そのあたりが実は翻訳の難しいところだったりします。もともとの視点が女性ですしね。

(けっこう良いできだと思います。ただまだ硬い感じがしますね。意味はきちんとくみ取れていますが、原文の持つグルーブ感みたいなものが活かされていない。そのあたりが実は翻訳の難しいところだったりします。もともとの視点が女性ですしね。
<余談>初めてということですが、意味がしっかり取れているのはいいですよ。語彙もしっかりしている感じだし。もっといろいろな文体になれるといいですね。がんばってください)

7.
サムになら、ハリウッドで活躍するくらいわけもなかっただろう。作品の構成を見る目は確かだし、洒落ていて、そのうえ独創性のある脚本をいくつも書いていた。請け合ってもいいが、早送りしようなどとは決して思わないような作品ばかりだ。

(「サムになら」は「サムなら」の方が読みやすいかな。でも全体的にはさらっと読めて良い感じです。ただ少し漢字が多いかな。原文のノリをもっとストレートに出してもいいかも。
<余談>訳文自体は良いと思いますよ。「ボタン」はなしで訳すことも、ありで訳すこともできます。いまの小学生は大変だなあと思うのは同意。僕は部屋にこもって本ばかり読んでいた口ですが、それでもそこら中に空き地があって、道路でキャッチボールをしても怒られなかったあの時代の方がいいです。)

8.
サムは、簡単にハリウッドに進出できたはずだった。彼の構図を見る目は非常に優れていたし、気が利いていて独創的な脚本を書き、事実それは観るものに早送りボタンなど決して押させないようなものだったのだ。

(このスタイルだったら「ハリウッドだって」かなあ。構図もありなんでしょうが、監督とかプロデューサーだと構成の方がいいかなあ。あと「だった~だったのだ」という語尾や「もの~もの」のような反復ちょっと気になるかなあ。意味もしっかり取れているし、悪くないんですけど、やや冗漫さを感じさせるところがもったいないんだよねえ。
<余談>はい、今年もよろしく。日本の本だったら、佐藤春夫とかおすすめ。ジャンルものと、いろいろな作家と交互に読んでもいいかも知れませんね。僕なんか読んでない方です。やっぱり文芸が本業の人たちの読書量や語彙力はハンパではないですよ。でも結局努力した分だけきちんと報われるというのは宮里藍ちゃんとか、浅田真央ちゃんとかを見ていると分かります。成績とかは別にして納得がいくまでやるというのが大切なんでしょうね。)

9.
サムは確実にハリウッドに進出していただろう。彼は創作に長けていたし、そのウィットの効いたオリジナリティ溢れる脚本は読み手を決して早送りモードに突入させない魅力があった。

(could have beenですから仮定法過去完了。実際には進出しなかったんですね。創作とはちょっと違うかなあ。「早送りモード」は個人的には好きなんだけど、ちょっと「突入」が強すぎるかも知れません。)

10.
サムなら容易にハリウッドへ飛び立てただろう。創作への見識は非常に高かったし、ウィットに富んだ独創的な脚本も書いた。実際、彼の作品を観れば早送りボタンなんて押せないだろう。

(全体の訳文としてはまとまっていると思います。ただ、原文の雰囲気よりも高尚な感じになってしまっています。「見識」ってかなり硬い印象を与えますよね。 <余談>初めてにしたらきちんと訳されていると思いますよ。いろいろな文体の文章に触れて、訳し分けができるように努力してみてください。)

11.
サムならハリウッドに飛び込みをかけるのも簡単にできたはずだ。構成力は抜群だったし、気が利いて型にはまらない脚本を書いていた。彼の番組だと、見ていて早送りボタンをおしたくなるようなことがなかった。

(「飛び込み」というと、どうしてもセールスに読めてしまいます。あと「番組」だとテレビですよね。この人の場合はやっぱり映画が中心だから、作品かなあ。真ん中あたりはなかなか良い訳文だと思いますが、もう少し構成に気をつけるともっと良くなるでしょう。
<余談>どうも初めまして。僕も本業は産業翻訳なんですよ。(それでなぜこんな連載を持つんだという突っ込みはなしで(^-^;)何冊か本を訳しているのと、歌詞対訳とかもやっているので、こういうのもお引き受けしている。(というか、生活かかってるし。)掲載されているのは、締め切りまでに届いた訳文全部です。(さすがに締め切りから遅れるとちょっとコメントできないので。)何人かピックアップしてという話も当初の企画時にはあったんですが、せっかく皆さんが訳されたものですから一言でもと思ってコメント付けるんですが、一言ですまない性格がわざわいして、なかなかスケジュール通りにコメントが終わりません(^-^; 遅くなったら、ああコメントに時間がかかっているんだなと思ってちょっと待っててください。)

12.
サムは簡単にハリウッドに飛ばして進むことができた。彼は非常に作品に関心を持っていたし、実際には他の人を早く進むためのボタンに触れさせることができないほど機知に富んだ独創的な台本を書いた。

(「飛ばして進む」はちょっと意味が通じていません。いま風だったら「ハリウッドにレベルアップする」みたいな感じかな。関心だとinterestになってしまいます。「早く進むためのボタン」は、早送りボタンですね。要するに個別のシーンが良くできているので、早送りができないということです。自分の生活の中でなんと言っているだろうと考えて訳すとイメージが湧きますよ。)

13.
ハリウッドへの旅立ちは、サムには楽なものだった。創作の出来栄えに目が利く上、実際に一瞬で見る者の目を釘付けにする脚本を、自ら手がけもした。

(could have madeですから、実際にはそうしなかったんですね。仮定法は英文を理解する上で重要ですから、きちんと押さえておきましょう。後半は訳文自体としては悪くないんですが、少し原文から離れすぎかなあ。「一瞬で」はちょっとはずれすぎですが、「常に」だったらありかも知れない訳です。
<余談>どうもはじめまして。がんばってください。)

14.
サムは、たやすくハリウッドへ進出できたかもしれない。映画にとても見る目があるし、本当に飛ばし見させないくらい機知に富んだ、独創的な脚本を書いたのだから。

(「映画にとても見る目がある」がちょっと引っかかるかな。「映画に対して」ときちんと出した方が良いかも。「飛ばし見」は悪くないです。ご自分で早送りボタンをそのまま活かしたらどういう訳文が作れるかも試してみてください。あと小説の時制は日本語にすると現在形にした方がすっきりする場合があります。「書いた」よりも「書く」とか「書ける」の方が流れると思いますよ。
<余談>うぇるかむばっく。日本語は難しいです。Qさまとか漢字クイズ見ていると、自分の語彙力のなさが悲しくなりますねえ。宇治原みたいに頭が良かったら楽しいだろうなあとか。日本のために芸人を辞めて政治家になれとか誰かに言われてましたが、確かに(笑)。

15.
サムなら、ハリウッドの映画業界に入るというような飛躍を遂げることも、簡単にできたかもしれない。文章の構成に秀でており、ウィットに富んだオリジナルの台本をいくつも書いていたからだ。それらは、実際、文字から目を離さずにずっと読み続けてしまうくらい、面白かった。

(まず原文に比べて少し冗長になってしまっています。そうすると、元の文章のノリの良さが消えてしまうんですね。あと、「早送りボタン」の部分はあくまで仕上がった映像の話なので、「読み続けてしまう」の部分は行き過ぎです。)

16.
サムならハリウッドにだって難なくデビューできたはずだわ。話の筋立てはすっごくいいし,それにあの,ひねりがきいてユニークなせりふ。早送りしようなんて,夢にも思わない出来よ.

(女性の口調にするという工夫はOKなんですが、ちょっときゃぴきゃぴしすぎかな。「すっごく」というのは「すごく」くらいに抑えておいた方がいいと思います。このオンライン講座は部分だけなので大丈夫なんですが、実際に一冊となったら、あまりはねた訳文にすると、統一性を取るのが大変ですよう。台本なので、台詞だけとは限らないかも。台本にはト書きもありますので。
<余談>相原先生にはもっと訳していただきたかったですね。浅倉先生も亡くなられてショックです。kindleまだ買ってないんですが、ここへきて老眼がひどくなってきて、そろそろまじめに考えなければいけないようです。細かな活字がもう見えないんですよ。)

17.
サムはいとも簡単に、ハリウッドへと進出した。彼の作品を見る目は確かで、実際早送りしてしまおうなんて気にもさせないほど、面白くて独創的な脚本を書いた。

(仮定法過去完了ですから、進出しなかったんですね。できたけど。後半は一応OKなんですけど、wittyというと単に面白いというのとは違いそうです。そういう細かなニュアンスを訳出するのが難しいんですけどね。
<余談>理想は、翻訳を読んでいると感じさせないことですね。たとえば、外国人が主人公の日本語で書かれた小説と、翻訳を比較すると、文化的な違いがあるせいもあって、どうしても後者の方が読みにくく感じるはず。それをいかに感じさせないのかが勝負かなあ。白石朗さんや、鴻巣さんあたりの訳文読んでみてください。(後者はちょっと翻訳とはまた違う世界ですが。)

18.
サムは難なくハリウッドに飛び込めたはずだ。書き物を見る目がある上に、自分でも書き、機知に富んだ彼の独特の文章は、次々にページをめくって斜め読みをする読者の手を止めた。

(「ハリウッドにだって」かなあ。「書き物」はちょっと分かりにくいです。後半はやっぱりまだきちんと英語の意味が取れていないかな。というか、作品解説の部分を読んでから訳さないときついかもしれないです。映画の世界の話なので。
<余談>はじめまして。翻訳は難しいです。実際の作業はけっこう調べ物が多いんです。fast forward buttonだったら、実際に何かをGoogleの画像検索などで調べてみてください。そうするとずっと文章の意味が視覚的に浮かんでくるはずです。試験もがんばってね。)

19.
サムはハリウッドへ簡単に行って、ちょっとした仕事をすることが可能だったかもしれない。彼は創作能力に溢れており、彼の作品だと、実際早送りボタンを押す必要のないくらい面白くて気の利いた、オリジナリティーのある映画ができたからである。

(うーん、「簡単に行って」ってどういう感じだろう。上にも書いたんですけど、要は18禁なんかやめて、ハリウッドに進出しても大丈夫なくらいだったという話です。それ以外は意味としてはまあ押さえてあるんですが、やはり全体的に冗漫ですっと頭に入ってこないきらいがあります。これはたくさん読んで、たくさん訳すしか上達の方法がないので、どうぞがんばってください。)

20.
サムはいとも簡単にハリウッドに飛び込めたんだろう。文章の良し悪しを見分けられたし、早送りしてみようとは思わせないようなウィットに飛んだ脚本を、自分でも手がけていたくらいだから。

(「飛び込めたんだろう」だと実際に飛び込んだようにも取れます。「文章の良し悪し」というよりはcompositionだから構成だよね。originalはここでは自分でもというよりはoriginalityがあるというニュアンスに読めます。
<余談>先月はおめでとうです。でもなかなかコンスタントにというのは難しいですね。英英辞書をまめに引くこと、それから訳文ができてから、これは曖昧な部分はないかという意識でチェックするといいですよ)

21.
サムは容易にハリウッドへ飛び移ることができただろう。作文には鋭い目があり、実際に指が早送りのボタンから遠ざかるような、気の利く、独特なせりふを書くことができたから。

(「ハリウッドに飛び移る」はやっぱり分かりにくいです。それならまだ「飛び」がない方がよいかと。「作文には鋭い目が」だと作文に目があるように読めるし、「独特なせりふ」というと何か普通ではない言葉遣いだったように思えます。もっと読み手の立場に立って訳してみてください。要は自分が読者の立場になったとして、自分の訳文が良いと思えるかです。)

22.
サムは簡単にハリウッドでのし上がることができた。彼には作品を見る目があったし、観客に早送りボタンを押させることのない、気の利いた独自の脚本を書くこともできた。

(「のし上がる」は悪くないんですが、これだと実際にハリウッドでのし上がったように読めます。観客は間違いではないんですが、ビデオを見ている人ということなので、もう少し工夫しても良いかも知れません。
<余談>知人も多くマスコミにおりますし、文句ばかり言いたくはないんですが、「政治と金」の問題などで結局政府の動きの足ばかりひっぱっている。いまの不況はある程度、検察不況ですよ。野党の党首に党首辞任させて、さらにマスコミを使ってネガティブキャンペーンやって、その結果でてきたのが記載ミスだけですから。もしいま小沢首相で、政治と金の問題がなければ、国会だってしっかりと景気についての議論がなされていたかもしれない。マスコミだって、もっと建設的なことに時間を割いていたかも知れない。百年経って日本がまだあれば、帝人事件と同じように歴史書には書かれるのではないかなあ。調べてみて驚くのは、少なくともいま表に出ている金については、小沢氏はおそろしくクリーンだということです。検察が応援まで呼んで1年がかりでこれしか出なかったんだから。もう一つは使い道。正直、小沢氏(鳩山氏もだが)は端から見たらようやるなあというくらい身銭を切って政治やってますわ。すごい額ですよ。自分ならハワイと沖縄に別荘買って、悠々自適の生活送った方がいいのにとか思っちゃうんだけど(^-^;)

23.
サムなら余裕でハリウッドへ進出できたはず。構成力はたしかだったし、彼の書く台本は独創的で気が利いていて、早送りボタンを押さずに最後まで見ていられるくらい面白かった。

(全体に流れがある点を評価しました。「早送りボタンを押さずに」の部分は、読みようによっては、ぎりぎりという感じもしちゃうんですね。
<余談>いや、どうしてもコメントに時間がかかるので、一度スケジュールを調整したんです。僕が悪いんですけどね(^-^; 翻訳自体は別に奇をてらう必要はないんですね。前回(だっけか)みたいな文体の訳し分けは勉強になりますが、実際の翻訳ではそんなに必要はないんです。ただ使えるようにしておくことは必要ということなんですね。引き出しの中身はどれだけあってもよいのです。)

24.
サムはすぐにでもハリウッドへ飛んでいけるような男だった。文章構成に関しては抜群の目利きで、早送りボタンに指一本触れさせないような、気が利いていて独創的な脚本を書いていた。

(「ハリウッドへ飛んでいける」だったら、いっそ「活躍の場を移せる」くらいの方が。文章構成は映画の方なので違いますよね。後半は割と良い感じなので、もう少し前半をわかりやすくすればよかったですね。
<余談>アメリカの報道の方が(9.11の頃は別にして)基本的にはバリエーションがあります。新聞を読む時に、「自民党」とか「民主党」といった枠組みで見ると分かりにくいんですね。実際には、デマも含め、何を書いてもいい人と、とにかく褒め称えられる人がいます。そういうくくりで見るとわかりやすいですよ。ですから、マスコミの独自のフィルターがかかっているんです。ですから、とにかく一次情報にあたる。記者会見って面白いんですよ。まあこうやって僕が書いていることをすべて鵜呑みにしてはいけないというのもあります。僕は僕で自分にとって都合の良い真実しか見ていない可能性は高いんですから。)

25.
サムはハリウッドにとても近い人物だった。彼の作品を見る目は素晴らしく、また自分でも読者にあっという間に読ませてしまう面白くてオリジナルな脚本を書いたものである。

(「ハリウッドにとても近い」というのは、「ハリウッドと親しい」というような意味にも取れてしまうので、ここはもう一工夫。脚本の読者っていうのはあまりいないんですよ。だからFFボタンが出てくるので。そのあたりをもう少し工夫するともっと良くなったと思います。
<余談>がんばってくださいね。)

26.
サムはハリウッドに飛び込もうと思えばわけもなかったはずだった。創作に欠かせない素晴らしい観察力を持っていたし、早送りボタンを押そうとした指が思わず止まってしまうほど、ウイットに富んだオリジナルな脚本を書いていた。

(悪くないです。「なかったはずだった」は少しくどい感じ。「創作に~観察力を持っていた」は少し書き込みすぎ。ただ流れはなかなか良かったので、もうちょっとがんばってください。
<余談>こちらこそよろしく。産業ネタはある程度答えが決まっちゃうんですねえ。)

27.
サムならば、ハリウッド進出も容易にできたはずだ。彼の作品を見る目は一流だった上に、彼の書く脚本は斬新でウィットに富んでいて、実際、早送りなどせずにじっくり見ていたくなる魅力があった。

(今回はいい出来ですね。流れもあり、とても読みやすかったです。量が増えた時でも同じように訳せるように精進してください。
<余談>今年も行きますが、基本的に毎年ハワイに行くんです。ひめぽん(嫁)が文芸翻訳者なので、一緒にBarns & Nobleとか、Bordersといった書店におこもりして、棚の中から面白そうなのを探します。トータルで10時間以上は過ごしているんじゃないかなあ。(ひめぽんはもっと。)ですから、それこそミステリーからノベル、ユーモアまで棚を見て、1年分(もっとかな)の本を探します。他にアマゾンからお勧め書とかも来ますし。ただ本業が忙しいので全部が読めるわけはなく、頭をざっと読んで、使えそうなのを読むという感じですね。あと「先生」と呼ばれるのは、代議士、医者、教員など。僕はそんなレベルに達していないので、どうぞはまぞおくんと呼んでください。学校の授業もこれで通していますから。)

28.
サムならハリウッドで活躍することも夢ではなかっただろう。企画構成にかけての手腕には目を見張るものがあったし、ウイットを利かせた脚本も彼の得意とするところだった。実際のところ彼が脚本を手がけると、観る人が早送りボタンの存在を忘れてしまうほど目が離せない作品になるのだった。

(「企画構成」はさすがにちょっと行き過ぎかなあ。意味的にはきちんと押さえてあると思うんですが、全体に原文のシンプルな感じがなくなって、多弁な印象を受けます。たとえば、「脚本も彼の」と「彼が脚本」はよく似たかたちで、それが前後に並ぶと、その時点でうるさく感じられるんですね。冗長にならずに、うまく訳す工夫をしてみてください。
<余談>とりあえず、名手と呼ばれる翻訳家の訳文と原文を読み比べると、ああなるほどと得るところが多いはず。浅倉久志さんや白石朗さんあたりの有名な作品をごらんになることをお薦めします。)

29.
サムなら簡単にハリウッドへ進出できたはずだ。彼の構成に対する眼識はかなりのもので、機知に富んだものを書いたし、実際に、彼の脚本は観る者を釘付けにした。

(これもまとまっているんですが、原文に比べて硬い感じがします。「眼識」や「機知」だとやっぱりラテンルーツの単語が並んでいるような気がしますから。このあたりの空気感を訳すのが実は難しいんですけれども。
<余談>いえいえ、なかなか長いコメントを差し上げられず残念です。)

30.
サムはいとも簡単にハリウッドに飛び込めたかも知れない。彼は構成や機知に富んだオリジナルのセリフに素晴らしい才能を持ち、間違いなく未来への早送りボタンに指を乗せていた。

(最初の文は「その気になれば」とか入れたらわかりやすくなるかな。二番目のところは一つにまとめない方がいいかと。後半部分はここまでくると誤訳になってしまっています。
<余談>ええと、うまくいかない理由はすごく分かります。まず、いわゆる直訳(ただ単語を訳すという意味ではないです)をする練習をしてみるといいと思います。うまく訳そうとして、原文がおろそかになっているんですね。そういう場合、まず原文に忠実に訳すという原点に戻って、文法書もチェックして、辞書もまめに引く。そうすると、訳文にごまかしとか逃げがなくなるんです。今回のであれば、 「サムは、ハリウッドにだって簡単に進出できたはずだ。構成に対する目もしっかりしていたし、観る者が実際早送りボタンから指を放したままになる、ウィットに富んだ、オリジナルな脚本を書いていた。」 くらいにまず訳せるようにすること。このベーシックな訳文ができるようになった上で、応用していく方が迂遠のようでいて実は早道です。どうぞがんばってください。)

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