第38回 一味違う今年の夏

一行翻訳コンテスト2010.08.16

■オススメの一冊
正統派のアクション・ノベル
『Ice Station』
(Matthew Reilly著、Pan Books刊)

Ice Station

さて、上記のような事情で、今月はほとんど本を読んでいるヒマがなく、目を通したのも仕事の本がほとんどでした。というわけでエンターテインメントで読んだのは、2ヶ月ほど前にご紹介したMatthew Reillyの作品で、スケアクロウ・シリーズ3部作の1冊目、「Ice Station」。このシリーズは「Area 7」、「Scarecrow」と続いていきます。(今は2冊目の「Area 7」。)以前ご紹介した「Contest」もなかなか楽しめる内容でしたが、今回の作品はぐっと正統派のアクション・ノベルです。舞台は、アメリカのウィルクス南極基地。地下深くの洞窟へ向かった調査隊が「あるもの」を発見したという一報と共に基地と連絡が取れなくなります。現地へ向かったのはスケアクロウことシェーン・ショフィールド率いる海兵隊(いまいろいろ評判になっていますが)。しかし、この「あるもの」を狙って、各国が動き出します。さらに研究者、そして海兵隊員の殺人事件まで起こります。アクション、ミステリー、さらに海洋生物まで絡んで進行するノンストップ・アクション。活字は大きめです。PBで700ページ(アメリカのPBだと500くらいかな)ありますが、あっという間に読めます。こんな感じ。

The jolt that Mother experienced was incredible in its ferocity.
Rebound watched in horror as the killer whale yanked her under. The water around Mother started to froth and bubble and blood began to fan out, but Mother was struggling fiercely, putting up a hell of a fight.
Suddenly, she broke the surface and so did the killer. Somehow, during their underwater scuffle, Mother must have managed to get one of her legs free from the killer’s jaws, because now she was using it to kick down hard on the big whale’s snout.

ちょっと痛そうな場面はありますが、いわゆるローラー・コースター・ノベルなので、マイケル・クライトンとかが好きならぜひどうぞ。

■今月のペーパーバック
ちょこちょこ読める気晴らし本
『Everything Is Going To Kill Everybody』
(Robert Brockway著、Three Rivers Press刊)

Everything Is Going To Kill Everybody

今月の2冊目は、Robert Brockwayの「Everything Is Going To Kill Everybody」というユーモア本です。まあ、わしらの回りにはこういう危険がいっぱいあるのだぞ的な話であるわけですが、かなりテキトーな内容なのが良いわけです。たとえば、Megatsunamiの章では、

The Japanese call it iminami, which means “the purifying wave.” They do this partly because it is a wave of such devastating strength that it completely erases the land of all impurities (impurities, in this case, being such blighting defects as your house, your car, and probably you, depending on how fast you can run and how well you float.)

みたいな。ネットで調べると確かにiminamiという言葉があるらしいんだけど、元は何なんだろう? 「浄化の波」という意味だと書いてあるんですけど。細かな章に分かれていて、全部で20章あるので、時間があるときにちょこちょこと読んでいくと気晴らしになる本です。

では今月の課題に行ってみましょう。

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